あまり後味の良い話じゃないから、そのつもりで読んで欲しい。
これは俺が小学生から付き合いのあるG君の話だ。
G君はアトピーやらアレルギーやらで、小さい頃からみんなと同じ給食が食べられなかった。
玉子や小麦粉や色んな果物が食べられなくて、可哀想だったのを覚えている。
それに匹敵するくらいのインパクトがあった彼の個性が異常な「爬虫類好き」だ。
お金持ちの子供だったG君はイグアナやヘビなど様々な爬虫類を飼っていた。
俺が生まれて初めて爬虫類に触ったのもG君の家でだ。
今、よくよく考えるとG君の「爬虫類好き」は、彼のアトピーからくるコンプレックスだったのかも知れない。
話を戻そう。
そんなG君は爬虫類好きが高じて、大人になってからも就職せずに、爬虫類専門のペットショップを立ち上げた。
その店では合法な爬虫類から、輸入禁止のモノまで様々な爬虫類を取り扱っていた。
そんなちょっと危ないG君が結婚した。
結婚相手は俺の知り合いだったから、少し驚いた。
結婚式では友達や知り合い皆で盛大にお祝いしたよ。
それからしばらく経っての事だ。
風の噂でG君がヤバい事になってるって聞いたのは。
友達と様子を見に行って戦慄したよ。
G君が生きた蛇を頭から食べている。
目は爬虫類みたいに鋭くなってるし、ボロボロになった肌はウロコみたいだった。
話しかけても「シャアアー」とか言いながら蛇みたいな舌を出して威嚇してくる。
俺達じゃどうしようもなくて、G君の親に連絡した。
とりあえずG君は精神病院に入れられた。
G君がおかしくなってしまった原因があった。
結婚した奥さんなんだけど、何回妊娠しても早産で赤ちゃんが堕ちてしまったんだ。
人間の形になる前の「爬虫類」の姿で。
精神的に限界を迎えた奥さんは、実家に帰って引きこもっていた。
G君は、ずさんな管理でペットショップの爬虫類を死なせていた。
G君は爬虫類に呪われてしまったのだろうか?
G君のペットショップには、世話をしてもらえず死滅した爬虫類の水槽がずらりと並んでいた。
あれから一年経っても彼は正気を取り戻していない。
怖い話投稿:ホラーテラー 店長さん
作者怖話