【重要なお知らせ】「怖話」サービス終了のご案内

短編2
  • 表示切替
  • 使い方

ゴリラ車両

ついさっきの出来事。

アルバイトを終えて

電車に乗り帰宅途中。

隣の車両がやたら空いている。

私の利用する某路線は朝からでも今の時間混んでいるはず…なのに隣の車両はスカスカだった。

私はラッキーと思いつつ隣の車両に移った。

が、すぐに後悔した。

『ウホッホホッ!!』

ゴリラの真似でもしてるのか中年のオヤジが優先席付近で地べたに両手両膝をついてウホウホ奇声を発している。

『…なるほどね』

私は納得しつつ優先席から1番遠い席に座った。

と言うかその車両には私しか居なかった。

とりあえず座りたかったと言う欲の方が強かったため、イヤホンをして音楽を聴きながら眠ろうとした。

するとオヤジがこちらに四つん這いになってドタドタと跳ねてきた。

『ぐっはあ!オラオラここは俺の陣地だあっはあ!来るなボケェ!』

大声でそう怒鳴ってイヤホンをむしり取られる。

その衝撃でお気に入りのiPodが吹っ飛んだ。

って言うか耳が痛かった。

お気に入りのiPodを吹っ飛ばされた揚句、人の眠りを妨げる。オマケに初対面にボケ呼ばわり。

さすがに私も頭に来た。

『…朝から電車使うのに陣地も糞もあるかぁ!あ!?てめえの陣地の為に他人が我慢するかボケェ!』

あ、自分も初対面にボケとか言ってしまった。

しかしそんなこと気にしてる場合ではなかった。

『てめーのせーで耳いてぇんだよボケが!!!傷害罪で訴えんぞゴリラジジィ!森に帰ってバナナでも食ってろ糞ったれ!』

オヤジ、黙り込む。

ここでハッと我に返る。

ギャラリーが半端なかった…。

両サイドからのガラス越しの目線が凄く痛かった…。

おまけにタイミングよく駅に着いて私がまるでオヤジを虐めていたような光景…

オヤジはそそくさと電車を降りて行った。

私は恥ずかしくて次の駅に着くまで縮こまっていた。

目的の駅ではないけど次の電車で家に帰ろうと思う。

今日は良いことなさそうだから大人しく家に引きこもってようと思う。

…人間、コワイ。

…目線、イタイ。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ