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短編2
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阪神大震災

僕が生まれて間もないころ、犬がきました。

僕は0歳の時に犬に首をかまれて、恐怖心を植え付けられていました。

3歳のとき、僕の家には犬がいないものと思っていました。

ふとしたときに父親が一言こう言いました。

「春に会いに行こう。」

この言葉で、僕の人生が変わりました。

おばあちゃんの家に行ったとき、僕は一匹の黒い犬を見ました。

そのときの気持ちをよく覚えています。

怖かった・・・。

でも、その犬は僕の顔をみて、近寄り、ペロペロと顔をなめた。

そして、次の瞬間飛びついてきました。

そして僕はとても幸せな気持ちになりました。

名前は春。僕と同じ3歳。

小学生になったときには犬への恐怖心が消えていきました。

しかし、5年生のとき、事件は起こりました。

いまいましい阪神大震災。

僕たちは生き残りました。

でも、おばあちゃんの家に向かったら、おばあちゃんと春は無事だったけれど家はめちゃくちゃになっていました。

春は住む場所が無くなった。

おばあちゃんは仮設住宅に行きましたが、犬は連れて行けません。

その日から、僕は春と一緒に住むことになりました。

そして僕の人生はここから変わっていきました。

いく度々なく人生が変わり、その犬と過ごしていきました。

楽しいときも、辛いときも、春がいたから幸せだった。

でも、僕が十七歳のとき、春の足がおかしくなりました。

そして、しばらく寝たきりが続きました。

誕生日がきた。

18歳、そして、僕も十八歳になった。

夏が過ぎて、秋が過ぎて、そして冬の過ぎかけたある日。

家に帰ってくるとなにやら様子がおかしいのです。

春が動かない。

おなかが動いていない。

息をしていない。

心臓は止っている。

ああ・・・。お別れか。

翌日、春は霊園行きの車に乗せられました。

雪がちらつき、寒いけど、桜の蕾ができている。

君の誕生日がちょうど1ヶ月に控えたそんな日に、逝ってしまった。

でも、君にはとても大切なものを教えてもらった。

さようなら、春

そして、ありがとう。

怖い話投稿:ホラーテラー シルビアさん  

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