短編2
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山の怪

とある晴れた日の午後4時。

僕は田舎の実家から家に帰る為に片道三時間の道のりを車で走っていました。

ところがGWの帰宅ラッシュでしょうか。道が大変混んでいます。

仕方なくいつもは怖くて決して通らないんですが幽霊が出ることで有名な山道に入って行きました。

山道を30分ほど走ったでしょうか?

タバコを吸いたくなり右手でハンドルを握りながら左手でタバコを加え火をつけました。

タバコの煙を深く吸い込みながら前を見ると。

女の人が車の前に立っていました。

「危ない!ぶつかる!!」

そう思うと同時に体がブレーキを力の限り踏みつけました。

もの凄いブレーキ音が鳴り響きました。

「やってしまった…。」

恐る恐る顔をあげてみると女の人は居ません。

「轢いてしまったか…。」

そう思い車からでて前の景色を見たとき、絶句しました。

目の前に広がっていたのは道などない崖でした。

もしあと5メートルも進んでいたら間違いなく崖から落ち死んでいたでしょう。

(…今の女の人が助けてくれたんだ!)

僕はそう思って手のひらをあわせて感謝をしようとしたとき。

耳元で確かに聞こえました。

「死ねば良かったのに」

「いや。でも本当に助かったよありがとう。」

「ばっ…ばか!別に助けてやった訳じゃないんだからね!!」

「お礼に今度食事でもどうかな?」

「なに言ってるのアンタ!バカじゃない!?」

次の日同じ場所に向かってみるとお弁当が置いてありました。

添えられていた手紙によると、多く作りすぎただけで決して僕の為に作った訳じゃ無いそうです。

怖い話投稿:ホラーテラー たたたた祟りダルい晩さん  

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