これは俺が中学の頃、千葉へ臨海学校に行った時の実話です。
旅館に到着した俺達のクラスは、1組3人ずつの班になり、ちょっと古びた大部屋の畳の上に、それぞれが座った。
その大部屋は、ちょうど学校の25mプールくらいの広さで、ガランとしていて、20インチくらいのテレビがあるだけだった。
早速ミーティングが始まり、皆、教師の注意事項を聞きながら、適当に頷き、すんなり終わった。
教師の指示通り海に入り、3時間ほど泳いで楽しんだ。
夕食の後、程よい疲れからか、皆、早々と眠くなり布団を敷き始めた時だった。
俺の班は、ちょうどテレビの前に敷いていたのだが、班の一人Kが声をあげた。
K「なんだぁ?テレビ消えてるのに、画面に何か写ってるぞ!」
俺は直ぐにテレビを見たが、電源が入ってない状態の暗い画面に、
人の顔の様なものが写っている。
・・・いや、顔だ!
K「なんだこの顔 おもしれー ブサイクな膨れっ面で笑ってるよー
いっひっひ あはははは、超ウケる!腹いてえ」
その場にいた24人全員で見て、大笑いした!
普通、何も無い画面に、知らない人の顔が写ったら、驚くハズなのに本当に面白かったので、みんなで大爆笑だった。
・・・その時一人が言った。
「これ、膨れっ面じゃなくて、膨らんでんじゃねーか?」
・・・そして、もう一人。
「そうだよ!しかも笑ってないよ!
苦しんでるんだよ!
おぼれてるんだよ!
うわあ~!怖えーっ!」
よく見ると、確かに笑った顔じゃない!
苦しんでいて、目が笑った様に見えていたがまったく笑ってない!
凄い形相だ!!
俺達は急に怖くなり、背筋がものすごくぞっとした。
【うぎゃーーー!!!】
あまりの恐怖に俺達は、全員ダッシュで旅館から逃げ出した!
その後、教師に報告し、旅館の人に聞けた話が、つい最近、近くの漁師が行方不明になっていて、船だけが見つかったとの事!
もしかして、その漁師だったのだろうか?
死んだであろう、今でも苦しんでいるのだろうか・・・
怖い話投稿:ホラーテラー りんごあめさん
作者怖話