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中編3
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包丁研ぎ

あんまり怖くないかもしれませんが 良かったら読んでください。

私が体験したことです。

10年前のはなしです。

一人暮らしをして間もない頃。

その日はなかなか寝つけず ぼーっとしていましたウトウト〜としていると

体を掴まれたような感覚がありました。金縛りです。

すると、『シュッ シュッ

シュッ シュッ』と とても耳障りな音が聞こえました。

私にはいつまでも聞こえていた気がします。

『こんな夜中に他の住人も気づくだろ?うるさくないのかな…』

などと、思っていました。

その音は段々大きくなり家の前あたりまで近づいてきたような音でした。

『コツ コツ コツ』

玄関を 叩く音が聞こえます。一段と怖くなり

『金縛りにあったら知ってるお経を唱えたらいいから』と いう友達の言葉を思い出し 必死に

『なんみよ〜ほーれん』みたいな お経にもならないようなものを 唱えました。

そのおかげ?でしょうか

『コツ コツ』も 聞こえなくなり 金縛りも解けました。

さっさと眠ってしまいたいと 思っていると

布団の擦れる音が聞こえてきます。

そのおとは 足元から始まり耳元でピタッと止まります。

私一人ですので他から布団の擦れる音はありえません 耳元で止まった音は頭上まで来て両耳の間を往復しているのです。

怖いの絶頂です。絶対何かいますよね。

『見たい でも 怖い』と思っていると

目の前を行ったり来たりするかんじがしたのです。

目を閉じていても感じますよね?

少しだけ見てみようかと思って見てみると

髪の毛が異様にながい女性が天井に張り付いてこちらを見ていました。

『ヒィ-』

こんな声しかでませんでした。

一瞬 顔が歪んだように見えました。らせんの写真のように…

『チーン チーン』と

鐘のような 音が聞こえたかと思うと

その女性は 押し入れの方に消えるように入っていきました。

『ドンドンドンドン』

ドアを叩く音です。

とっさに 布団から出て

ドアを開けました。

眼鏡を掛けたおばさん

(おばあさん?)が

たっていました。

数珠とチーンを持って…

『大丈夫ですか?』

とりあえず 『助かった』と思いました。

『こんな時間にほんとに ごめんなさいね…』

と 言うと

おばさん(奥さんと呼びます)の話です。

『主人が亡くなりました。からだが少し不自由で

多少の手助けが必要でした やさしい人で 何かひとつでも 私にやってあげたいと 包丁をよく研いでくれていました。

よく 切れるんです。

主人が研いでくれた包丁は喜ぶ私を見てよく微笑んでいました。

私が外出しているときに亡くなってしまったんです はっきりしない原因だし歳も歳なんで

[心不全]と いうことに

なりました。

でもね ちょっとおかしなとこがあったんです。

皺と間違う程度の 線が

首についていたんです。

何本かの長い髪の毛が絡んで…

騒がずにいようと思いました。

ちょっと気になることもあったんでね…

実は主人が亡くなる

一週間前に 娘が亡くなりました。

主人の体調が悪い時に

知人に娘の世話を頼んでました。

娘は障がいを持っており

主人と娘を一人でみることは 難しかったのです。

2週間ほどたったある日

知人と連絡がとれませんでした。

慌てて娘の部屋に行ったところ、元々細かった娘は

一段と痩せ 髪はボサボサ無惨な姿で

亡くなってました。

押し入れの中に隠れるようにして…

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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