皆さんご存知の『オレオレ詐欺』ってありますよね。
最近ではその詐欺の手法も狡猾になり、『なりすまし詐欺』や『劇場型詐欺』なんて呼ばれたりもします。
人の心の不安に突け込み、詐欺行為を行うのは本当に卑劣な行為ですよね。
ところで皆さん、この『オレオレ詐欺』の“原点”は知っていますか?
「そういえば、なんとなく広がっていった」と言う感じではないでしょうか?
恐らく、初めの頃にオレオレ詐欺が新聞やニュースで、小さいながらも取り上げられ、その簡便な方法を真似る者が次々に現れて…という具合ではないでしょうか。
実はですね、この『オレオレ詐欺』、“原点”というのがちゃんとあるんです。
以下にそれを記します。
とある系列のテレビ局が、過去に実際にあった犯罪を紹介する番組を放送しました。
対象となった犯罪の時代は主に戦後、高度経済成長期の頃です。
番組内では、個人経営の服屋でうら若き女性客が店主(男性)の前で服を脱いで試着をし、当惑した店主が客に背を向けている間に金品を盗む…といった犯罪を紹介していました。
次に紹介された犯罪は…
ある日、70歳の女性の元に一本の電話がかかってきました。
「あ~もしもし?オレオレ、オレだよおばあちゃん。」
「あぁ~たけしかい?」
「そうだよ、たけしだよ。ところでさ、おばあちゃん。友達に借金返さなくちゃならなくてさ。50万円程貸してくれないかなぁ?頼むよおばあちゃん。」
孫の突然の申し出に困惑する祖母だが、孫の頼みとあって頼まれたお金を銀行に振り込みます。
が、後日訪ねてきた本物の孫に借金の事を訪ねると、本人は知らないと言う。
その時になって騙されたと祖母が気付く…
そう、今で言う『オレオレ詐欺』です。
なんと、この犯罪は昭和40年代後半に実際に行われていました。
しかし、当時はそのような手法の詐欺が横行したという事実はなく、事件とともに風化してしまいました。
では何故今になって?
そうなのです。平成の世になり、この番組で『オレオレ詐欺』の原点が放送された後、爆発的にこの詐欺の手法が広まりました。
ニュース・週刊誌・インターネット、ありとあらゆるメディアを媒介して世間に広まっていきました。
以上が『オレオレ詐欺』の“原点”です。
皆さんもオレオレ詐欺にはお気をつけて…
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話