【重要なお知らせ】「怖話」サービス終了のご案内

短編2
  • 表示切替
  • 使い方

家の中に…

これは、友達が大学の先輩(♂)から聞いた話だそうです。

その先輩は、柔道部に所属していて、とてもがっちりした人でした。その先輩が、大学進学を機会に一人暮らしをする事になったときの話です。

顔に似合わず、その先輩は出先が器用で、自分でよくご飯を作ったりするそうです。ある日、いつものように換気のために、キッチンの小窓を開けて先輩は夕食を作っていました。

作り始めてしばらくして、先輩は視線を感じました。ふと小窓を見ると、髪の長い女がその小窓から血走った目で、覗いていたそうです。

「佐藤さんですよね?開けて下さい。」女は先輩から目をそらすことなく、そう言いました。先輩は佐藤と言う名字ではありません。先輩は「僕は佐藤ではないです。ここは開けれません。」と答えたそうです。それを聞いて、ふらっとその女はいなくなったそうです。

『ドンドンドン!!』

すると今度は、ものすごい勢いてドアを叩く音が聞こえました。のぞき窓から見ると、その女がすごい顔つきでドアを叩いているのが見えました。

気味が悪くなった先輩は、ドアを開けて「いい加減にして下さい。警察呼びますよ!」と怒鳴ったそうです。「佐藤さん、どうして入れてくれないの?」「だから僕は佐藤じゃありません。とにかく、迷惑です!」と半ば強引にドアを閉めました。

しばらく、ドアを叩く音とともに、「開けてよ!開けなさいよっ。入るのはわかってんのよっ」と言う声が聞こえましたが、先輩は無視し続けました。

30分ぐらいたって、やっとあきらめたのか、叩く音がしなくなりました。またくると怖いので、先輩は小窓を閉め、ドアには鍵とチェーンロックをつけました。「これでよし。」念のために、反対側のベランダの窓を閉めようと先輩は振り返りました。

目の前は、その女が長い髪を垂らして、立っていました。先輩の部屋は一階にあるのですが、その女はベランダから、塀をつたって、家に上がり込んでいたのです。先輩は一瞬ひるんだのですが、そこは、柔道できたえた腕っ節で、その女を取り押さえました。

勿論、事件は警察事にまで発展しました。後で、近所の人に聞いた話ですが、先輩の前にその部屋に住んでいたのが、佐藤という人だったそうです。佐藤さんは1ヶ月もしないうちに、逃げるように引っ越ししていました…。

怖い話投稿:ホラーテラー TERAさん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ