今回初めて投稿させていただきます。
はじめに忠告します。
この話は僕と友人三人で経験した実話です。
オカルトのネタとして投稿したのではありません。
僕は4年前の夏に恐ろしい経験をしました。
お盆休みで友達と男三人でキャンプに行った時の話です。
るいとゆうたという名前にします。
二人とも同じ高校でした。
今回は山の中にテントを張って泊まるという企画をしました。
るいの友達にアウトドアマニアがいて、グッツはその子が貸してくれることになりました。
ゆうたの車でキャンプ予定地に向かいました。
今回行く場所はある山で、川も流れており下流のほうではバーべキューをするたくさんの観光客がいました。
目的地に到着し、無料駐車場に止めましたが、るいもゆうたも「人多すぎだろ、もっと上行こうぜ」というのでしばらく車を走らせ、もっと山の上のほうに向かいました。
さすがにお盆ということもあり人の数がすさまじかったです。
アスファルトで舗道された道は終わり、砂利道に変わりました。
「パンクしたらやだからここらへんに止めて歩こう」とゆうたが行ったので歩くことになりました。
僕たち三人は泊まるグッツを持って山を登り始めました。
一時間くらい歩いたら、もうさすがに人の気配はなくなりました。
しばらくすると上から作業服を着た50代くらいのおじさんが歩いてきました。
「君たちどこいくんだ?」と聞かれました。
「もう少し上でテント張って泊まるんすよ」とるいが言った。
「悪いけどそれはだめだよ!泊まるのはだめ!暗くなる前に帰りなさい!」とおじさんが強めにいいました。
「何でだよ?いいじゃん別に、子供じゃねんだから」とるいが少し切れ気味に言いました。
「遭難事故が多いし、この山の上のほうは悪い噂もある」とおじさんは言いました。
「悪い噂?てかあんた何なの?」るいの言葉が乱暴になってきました。
「おれは下のキャンプ場の従業員だよ。
ここら辺は霊がよく出ると言われている。
やめろ!」と言いました。
僕は霊と聞いた途端にかなりびびりました。
すると黙っていたゆうたがおじさんに「わかりました。
泊まるのはやめます。
でもせっかくきたのでもう少し上に行ってから戻りますね」といいました。
るいは短気ですぐ怒りますが、ゆうたはいつも礼儀正しく、三人の中では一番しっかりしています。
おじさんはゆうたの言葉を聞いて僕たちに「絶対だぞ」と言って降りていきました。
「はあ?まじで帰る気なの?」るいがゆうたにイライラしながら聞きました。
「なわけねーだろ」と笑いながらゆうたがいいました。
「ちょっと待てやめようよ!おれほんとにそういうの無理だから…。
お願い!」と僕が言うと二人が笑いながら「今から戻ったら俺たち馬鹿みてーじゃん!さ、行くぞ」と言われました。
「ふざけんな!」二人に向かって怒鳴りましたが「どうした?霊なんかいないから大丈夫!」「見に行くだけ行こう」と二人に言われました。
僕は一人で帰るのはさすがに無理なのでついていきました。
丁度そのとき三時くらいでした。
今思うとあの時、素直に帰っていればここに書くような話を経験しないで済んだのにと思います。
ある程度登ったら広い場所がありました。
この場所まで来るのに約三時間以上は経っていました。
「すげぇー!広い!ここで決まりだろ」「見に行くだけって言ったろ?」僕は少し切れ気味に言いました。
「いまから帰ったら逆に危ないだろ、泊まる用意してきたんだから一日泊まる」僕は大きくため息をつきました。
これ以上何か言うと二人と喧嘩になり、気まずくなるので何も言いませんでした。
あたりは暗くなり始め、三人でテントを組み立てました。
その日は風が強く、るいが「重い石持ってきて」と言いました。
僕は体が小さく力が全然ないのでゆうたが「わかったー」と言い行ってくれました。
途中で森のほうからパキパキという音が聞こえました。
僕はゾッとしました。
るいが走って見に行ったら鹿でした。
(ふぅ…良かった)と安心しました。
ゆうたが大きい石を持ってきました。
「なんかでけーのあったから持ってきたよ。
これでいい?」「でかっ!!十分だよ!」そして真っ暗になったのでテントの中に入りスナック菓子と昼にコンビニで買ったパンを食べました。
「るいめっちゃいいテント借りたじゃん!」ゆうたはテントの大きさに大満足していました。
たしかに凄いでかくていいテントでした。
太陽は完全に沈み夜になりましたが、月明かりがあり暗闇ではありませんでした。
山の上から見る満月は最高でした。
「これは野郎三人でみるには勿体な過ぎるな」「おれ彼女にここで告白したいわ~」一時間くらい月を見ながらいろんな話で盛り上がりました。
疲れもあって三人とも寝袋に入りました。
るいとゆうたはすぐ寝てしまいました。
こういうときに限って僕はなかなか寝付けません。
そして一人になると昼にあったおじさんの話を思い出してしまいました。
霊とかまじふざけんなよ、絶対に出てこないでくれと頭の中で考えていました。
僕も気づかないうちに寝ていました。
次に僕が目を覚ましたのは夜中でした。
トイレに行きたくなり起きました。
テントから出て、山の斜面のほうで用を足しました。
すると背筋が急に寒くなりました。
小便で体温が下がったから?と思いましたが、プルプルと体が震えだしました。
その時でした。
山の奥の方に人影が見えました。
こんな時間にこんなとこに人がいるわけない。
だんだんと向こうから近づいてきました。
僕をとにかくテントに戻り、二人を起こしました。
「起きろ!なんかあっちから来てる!」「何が?鹿だよ鹿」「どうした?」二人の手を引っ張りテントの外に出しました。
さっきからこっちに向かってくる何かを指差しました。
向かってくるのは人でした。
それも老婆。
るいは大きい声で「こんばんは!」と言いました。
その声で僕は少し安心しましたが。
老婆の顔が見えた途端、人生で最大の恐怖を感じました。
老婆の肌は完全に土色。
目は死んだ魚の目をしていました。
服はボロボロでした。
三人とも同時に悲鳴を上げ、テントを放置して、きた道を全力で下りました。
しかし何と僕たちが走り出した瞬間、とてつもなく大きい低い声で「待てええぇ!」と叫びながら、老婆も走り出しました。
僕はそれを見て本当に殺されると思い山道を下るというよりは転び落ちるように走りました。
三人とも誰ひとり声を出さず山を下りました。
途中何度も老婆が後ろで叫んでいたのが聞こえ恐怖で失神しそうになりました。
ライトは持っていませんでしたが、月の明かりでなんとか見えました。
うしろを見る余裕はありませんでした。
三十分くらい経ち車を止めた場所について「早く街に出よう!」るいがそういって車に乗ろうとしたら「ああ!!鍵が!!」荷物はすべてテントの中に置いたままでした。
ゆうたが「やばい…ついてきた」と涙声で言いました。
すると山の上からあの老婆の笑い声が聞こえました。
すさまじい鳥肌がたち今度はアスファルトの道を全力で下りました。
僕はもう殺されるという恐怖感で声が出ませんでした。
少し経つと昼に通ったキャンプ場の街灯が見えました。
僕たちは安心してキャンプ場の事務所に行きました。
「こんな時間にどうされました?うちのお客さんですか?」僕たちは走りすぎてゼエゼエ言って何も言えませんでした。
でも僕たちの疲れきった顔をみて「とりあえず中へどうぞ」と言ってくれ中に入った。
とその時キャンプ場の駐車場の方から「どこだ?どこにいる?」とあの老婆の声が聞こえました。
僕はその声を聞いて気を失ってしまいました。
次に目が覚めたときは朝でした。
事務所の一室で寝かされていました。
起き上がった瞬間何者かに顔面を殴られました。
殴ったのは昨日の昼、山道であったおじさんでした。
「馬鹿たれが!あれほど行くなと言っただろ!」
「すいません…」
「無事でよかったな」
その言葉を聞いた途端、急に泣けてきました。
その時ちょうど二人が部屋に入ってきました。二人にあの後のことを聞いたら、老婆は事務所の周りをうろうろした後、山に帰って行ったらしいです。
僕は起きてからも震えが止まりませんでした。おじさんに老婆の話を聞いたら
「詳しいことはわからん、不安ならお払いでもしてもらえ」
と軽くあしらわれました。
疲労とその山への恐怖感で、とりあえず家に帰ろうということになりました。車の鍵は山の上で、取りに行くなんてありえませんでした。ゆうたの車でしたが後で業者を呼び鍵を作ってもらうことにしました。それぞれ事務所の電話を借りて親に電話しました。るいの親が来てくれることになり二時間後ぐらいにその場から立ち去りました。るいが親に事情を話すと、
「それほんとなの?」
「うそだったらおかんをここまで呼ばねーし」
「なら早いうちお払いでもしてもらった方がいいんじゃないの?」と言いました。
今おもえばその通りでした。でも僕たちはそれぞれ家に帰りました。
ここまでなら僕が実際経験した幽霊話というくらいで済むかもしれません。
しかしこの後最悪の事態が起こります。
家が近いので次の日集まろうということになりました。でもゆうたが頭が痛いというので、集まるのは二日後ということになりました。
その日は老婆に追いかけられている記憶が離れず、恐怖で眠れませんでした。
その夜ゆうたの親から僕の親に連絡が入りました。さっきゆうたが黙って家を出て行ったらしく、うちにきてないかという電話だったそうです。僕はその時、まさか一人であそこに行ったんじゃないかと思い、急いでるいに連絡しました。しかし携帯もあのテントの中に置いたままでしたので、家の電話に連絡しました。るいはすぐ出ました。るいが車を出すというので乗せてもらうことにしました。
夜の十時を過ぎた頃、家に戻ったら親が、
「ゆうた君が亡くなったわ。」
「えぇ…」
僕は意味がわかりませんでした。
「○○橋で飛び降り自殺したって連絡が入ったわ、あんた昨日何があったのよ!」
と母が泣きながら怒鳴りました。
「自殺ってどういうことだよ…」僕は混乱して今まで起きたことが夢だとあの時必死に言い聞かせました。その後の二、三日の記憶はありません。
ゆうたが自殺したことは事実でした。橋の上に立ち、飛び降りる姿を何人かの人が目撃したそうです。警察の人にも色々な質問をされました。僕は泣き崩れ何日も部屋に閉じこもっていました。
それから丁度一週間後にるいに連絡してあの山に行こうと言いました。るいは大反対でした。僕はゆうたが死んだのはあの夜に会った老婆が関係していると確信していました。その時は恐怖心ではなく憎しみが心を満たしていました。るいを説得しあのキャンプ場まで行きました。
事務所に行きあのおじさんに向かって僕は思い切り怒鳴りました。
「友達の一人が死んだ!あんたは何か知ってるだろ!全部教えろ!」
「死んだのか…」おじさんが悲しい声で言いました。
「自殺って言ってるけどおれはそうは思わない。あの夜にいたばばあに殺されたんだ」
るいがそういいました。
「わかった、おれより詳しい人がいる。そこに連れてく」
そう言われおじさんの車に乗りキャンプ場の横にある小さい一本道を五分くらい進みました。するとそこには古い家がありました。車から降りて家に案内されました。すると中にはおじいさんがいました。僕たちは軽く挨拶し床に座りました。
「何があったのかな?」
僕たちは一週間前のことをすべて話しました。途中老婆の話を始めた途端におじいさんは顔色を変えて、
「お前たち清さんを見たのか?」と怒鳴られました。おじいさんの顔を見てあの老婆がヤバイ奴だとあらためて思った。
話を聞くと、僕たちが見たのは清さんというおばあさんの浮遊霊だと言いました。何十年も前に亡くなった人で、あの山の上の方に住んでいたらしいです。ある夜に四人の若者が山の上で騒いでいて、清さんは若者たちに注意したらしいです。酒で酔っ払った若者たちは逆切れして、清さんは山の急斜面に落とされたそうです。
清さんはその数日後、遺体で発見されたそうです。
若者の集団の二人が連続で死んで、残りの二人は怖くなって自白したらしいが、その後死亡したそうです。はじめの二人は突然死。残りの二人は自殺だったそうです。地元では恐れられ、あの山の上のほうは行くなと言われているそうです。
そして次の言葉で僕とるいは何故ゆうたが死んだかわかりました。
おじいさんの話だと清さんの霊はとても強く、除霊できなかったらしいです。その為、あの場所には四つの霊を封じる石を置いたらしいです。ゆうたがテントの重石で持って来たあの大きい石は四つの石のひとつだと思います。それを動かしてしまったせいで、ゆうたは殺されたんだと。あの石のおかげで何年も清さんを見たという話はなかったそうです。今回の僕たちの話を聞いておじいさんは凄く悲しそうに言いました。
「もうこれ以上死者が出ては困る、あの道は封鎖してもらう、それと石を元の場所に戻さねば、君たちも取り殺される」
「もう一度あの場所に行かなくちゃ駄目ですか?」
僕は聞きました。
「君たちが行かないと意味がないんだよ」
その言葉を聞いて凄く怖かったですが、死んだゆうたの為にもと覚悟を決めあの場所に行くことにしました。おじさんはお守りとお札をくれました。こういった部類のものは信じていなかったですが、あれを見てからはこういうものは心強いものです。
昼の11時頃に家を出て、砂利道までおじさんに送ってもらいました。おじさんはわたしもついていくといい、三人で行くことになりました。テントを張った場所についたのは一時半くらいでした。
しかし昼間だというのに前回とは違い、凄く不気味な空気が漂っていました。そして僕たちはテントを見た途端、悲鳴をあげてしまいました。
緑色の大きいテントでしたが側面がズタズタに切り刻んでありました。動物かもしれませんが、清さんがやったと思うと怖くて震えが止まりませんでした。
「早く石を戻さんと」
おじさんに言われ、るいと僕でテントの重石に使った石を持ち上げました。僕たちは石をどこに置けばいいかわかりませんでしたが、おじさんが
「多分ここだろ」
と言って指をさしました。そこには石の台がありました。ゆっくり石を置こうとした時、前のように全身に鳥肌が立ちました。
るいと目を合わせ、急いで石を置きました。
「どうした?」
とおじさんに聞かれましたが、答える余裕もなくうしろを向きました。
すると清さんが遠くの方に立っていました。全身が物凄い勢いで震えました。僕とるいはテントの中の荷物を急いで掴み、道へ走りました。僕は何を思ったか
「成仏しろ!ゆうたを返せ!」
と全身を震わせながら叫びました。すると凄まじい速度でこちらへ走ってきました。目は前とは違い真っ赤でした。あの恐怖は言葉では表現出来ません。
「お前たち見えてるのか?」
とおじさんが僕たちに聞きました。
「早く逃げて!!」
そう叫びおじさんの手を引っ張り道へ走りました。すると
「待てえぇ~!」
というあの恐ろしい声がすぐそこから聞こえました。僕はこの時死を覚悟しました。
しかしあの石を置いた場所からこちらへは来ませんでした。しかしもう二度とあの恐ろしい姿を見たくなかったので振り返りませんでした。
帰りは車のところまで一時間半くらいでつきました。山から下りたときポケットに入れていたお札をみて、思わずヒッと声を出してしまいました。
お札は真っ黒でした。
あの後おじさんに感謝を言って、るいの車で帰りました。あれ以来あの道は封鎖され、登山客も立ち入り禁止だそうです。
あれから四年が経ちます。
はじめの一年は親以外誰にも話せませんでした。
二年前に友達にこの話をしたら、なんかのサイトにアップしてみればと言われ、不謹慎な奴だなと思いました。
しかし四年経ちこの話を知ってもらいたいと思い、るいと相談して投稿することにしました。
インターネット上に投稿するのはこれが初めてです。
①で読みにくいと書いてありました。申し訳ありません。初めてですし、どれくらいにすればいいかわかりませんでした。
この話は実話です。信じる信じないは自由ですが、
この清さんの話については絶対に深追いしないで下さい。
まだ彼女の霊は成仏していません。
僕がこの話を載せてしまったことで、誰かの命が失われて欲しくありません。
僕はもう二十六歳ですが、あれほど人生で恐怖を感じたことはありません。万が一のこともありますし、場所お答えすることはできません。
ただ僕は親友を一人失って霊の恐ろしさを知りました。みなさんも日々の生活の中で何か心霊現象に遭遇したときは気をつけてください。
話と関係ない部分をこんなに長く載せてしまって申し訳ありません。この話を軽い気持ちで読んでもらいたくなかったからです。
最後まで読んで下さった方、ありがとうございました。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話