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中編5
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黒死蝶

最初に

小学校から高校まで国語の成績は5段階評価で2をキープしてたような糞野郎の文章です。

小論文を書いて、綺麗に書けたつもりで満足して先生に持っていって赤ペンで直されちゃうような

そんな文章です。海よりも広い心を持って読んでください・・・ごめんねごめんね!

-

何もない暗い場所に俺は立っていた。

でも不思議なことに辺りは見える。

そんな不思議な空間にいた。

辺りは見えると言ったのは

人が4人俺のまわりに立っているのが見えたからである。

全員特に何をするでもなく、ただ虚空を見つめ存在していた。

そんな中俺は一番手前のメガネの痩せたおじさんに話しかけた。

だけど答えは返ってこなかった。

まるで俺はそこに存在していないかのように完全に無視された。

その後、他の3人にも話しかけたのだが完全に無視された。

ここまできて自分は相手から認識されていないという結論に至った。

そして、どうしようもなくなった俺もただ虚空を見つめて立つだけしかすることがなくなった。

どれほどの時間が経ったかなんてその暗闇では覚えてない。

気づけばそこに黒い蝶が飛んできた。

自然と目が蝶を追った。

しばらくパタパタと飛んで最初に話しかけたおじさんの肩に止まった。

するとおじさんは優しそうに笑って・・・倒れた。

蝶は肩を離れまたどこかへと飛んでいった。

俺はおじさんの元に駆け寄って抱きかかえてみたが目を再び開けることはなかった。

俺はおじさんを静かに横たえ再び顔をあげた。

するとさっきまでいたはずの暗い空間から一転し

いつの間にか山道の途中に俺はいた。

辺りは緑で生い茂っていて、暑いのか遠くのほうの道路は滲んで見えた。

(夢だったためか暑いという認識・感覚はなかった。)

そこは遠い記憶にある場所だった。

友達を事故で亡くした場所。

小さい時に犬・猫以外の動物を見たかった俺と友達は

山に出かけ、狸を見つけた。

あまりに嬉しくて触れようとおいかけて

車が着てるにも関わらず道路に飛び出した俺をかばって

死んだ。

忘れようとした記憶

忘れようとした場所だ。

どうしてこんな場所を見ているのだろう。

そう思いながら周りを見た。

俺がいた。小さな頃の俺だ。

そして・・・友達がいた。

この後何が起きるか今の俺にはわかっていた

だから俺は俺に声をかけた。

小さい俺は、不審者を見るような目で

「おじさん誰?何か用?」

と聞いてきた。昔の自分は何て生意気だったんだろうと思う。

「ここには何もいないよ。だから今日はお帰り。」

俺はそう言い聞かせる。友達のほうは見知らぬ大人が怖いのか

小さな俺の後ろに隠れていた。

「いや絶対いるね。何かいるから帰らせようとしてるだろ?」

「そんなことはない。本当だ信じてくれ。」

もう後半はほぼ叫んでた。

でも小さな俺は意地になったのか俺に背を向けて走っていってしまった。

友達の手を繋いで。

すぐに追いかけた。

でも今の俺では昔の俺に追いつける体力はなかった。

(夢のはずなのに息はきれた)

このままだと昔の通り

友達が死んでしまう。俺をかばって。

夢だと自覚はある。

夢なのだから、このまま友達が死んで

どうしていいのかもわからない俺がただ泣くことしかできない姿を見て終わりだ。

そうすれば

いつも通りの朝を迎え

いつも通りのように会社にいって

いつものように・・・

そんなことは出来なかった。

夢だけど、夢だから

あの時を繰り返したくはなかった。

でもあの時とめられなかった俺に出来ることはもうひとつしかなかった。

それでいいのか?

一瞬考えた。

でもここは夢だからとそう言い聞かせ

俺は静かに事故が起きる場所に向かって歩いた。

思い出の森の中を歩きながら俺は小さい頃の記憶を思い出す。

辺りは事故があった時くらいの暗さへと段々と近づいていっていた。

田舎だった俺の実家

コンビニへ行くのも橋を1つ渡らないといけない。

スーパーに行くのにも車を出さないと片道40分の坂道を歩いて上るはめになる

なのに温泉街だったという意地があるのか

ホテルと温泉だけはやたらある。

それもほとんど潰れてた。

そんな場所で唯一歳が一緒で家が近かった友達。

名前は何だったっけ。

思い出せない。

最低だなと自分で思う。

俺の命を繋いでくれた人を忘れる。

最低だ。

でもどんな奴だったかは覚えてる。

いい奴だった。

何でも我侭を聞いてくれた。

~へ行こう。

~を見よう。

本当にどこに行くのにも付いて来てくれた。

馬鹿みたいな俺のやることに笑いながら付いて来てくれた。

あぁ、どうしてあいつが死んだんだろうな。

こんな馬鹿のために。

気づけば俺はあの場所へ付いていた。

ここで待っていれば2人は絶対に来る。

来るはずだ。

俺はその時を静かに待った。

しばらくすると声が聞こえてきた。

待てーとか、いてぇとか

明らかに何かを追いかけている

俺は静かに立った。

多分俺はあいつらをまとめて庇って轢かれるだろう。

でも、いいかもしれないな。

二人が笑ってまた遊べるかもしれないんだから。

きっと大きくなっても二人は一緒にいるんだろう。

そう信じて。

ふと上を見た。蝶が飛んでいる。

黒い蝶だ。

直感でわかった。

この蝶はきっと死を誘うものなんだなと。

きっとあのおじさんも俺と似た光景を見たんだろう。

そして俺と同じ行動をとったんだ。

だから笑っていたんだ。

少し、怖くなった。

でもやることは決まっていた。

そう決心をすると同時にあの光景が目の前で起きるのを見た。

俺は瞬間的に身体を前に走らせ、

そして

二人を押し出した。

・・・

真っ暗だ。

違う。

目を閉じているんだ。

でもなんて重い瞼だろう。

開けるのもやっとだ。

でも開けないといけない気がした。

やっとの思いであける。

そこには友達がいた。

「ありがとう。やっぱあの時を繰り返さないでくれた。」

笑っていた。

「当然。俺たち友達だろ。」

「そうだね。今なら僕の名前思い出せる?」

どうして今まで忘れていたのだろう。

不思議なくらい自然と名前が出ていた。

「○○、ごめんな今まで忘れてて」

「いいんだよ。きっと忘れたほうが幸せだ。」

「そんなことはない。今の俺があるのは○○のおかげだから」

「そっか。じゃあ忘れないでほしいな。」

「きっと忘れない。」

「絶対って言ってほしいな」

「絶対」

「「約束だ」」

ここで俺は意識が限界にきていた。

薄れていく視界と意識の中で最後に友達はいった

「じゃあ、この蝶は僕がもらっていくね。まだ君には必要のないものだから」

そして俺の意識は完全に途絶えた。

次に意識が戻ったのは

現実の世界のこと。

いつものように布団にいた。

でも泣いたあと、異常にかかれた汗

あの夢はきっと夢のようで夢でない何かだったんだと改めて思う。

後日、俺は黒い蝶について調べてみた。

その蝶は死蝶、黒死蝶と呼ばれる。

分かっていることはその蝶が目の前に現れると1週間以内に死ぬということ。

ただ、不思議なことにその蝶は夢で現れたという記述は一つもなかったということだ。

それ以上はまったくわからなかった。

でも俺は死ぬことはないだろう。

あいつが2度俺の命を救ってくれたのだから。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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