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中編3
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9階

俺が中学生だった頃の話です。

駄文等、勘弁を。

俺の家の近所に、有名なアパートがありました。9階建てなんだけど、入居者が少なくて4階より上は誰も住んでいなかった。

雰囲気もすごい不気味で、俺らの学校では『幽霊アパート』とか呼んでました。

中学に入学してすぐに仲良くなったAって奴がいたんだけど、ある日Aに「俺の家に遊びに来いよ」って誘われました。

その日は土曜日で、学校も午前中で終わったからそのままAの家についていきました。

そうしたら、Aの家は幽霊アパートの4階で、ビビりの俺は「やべえ……来なきゃよかった……」とか思いました。

でもAも「幽霊アパートとか言われてっけど、別になんもねえよ」って言ってたから、とりあえず安心しました。

それから、ゲームしたり漫画読んだりしてたんだけど、夕方5時くらいかな?Aが突然「なあ、9階行ってみようぜ!」と言い出しました。

俺は最初は断ってたけど、Aがあまりにしつこく誘うから、根負けして渋々行くことになりました。

エレベーターに乗って9階に……

9階は、4階と同じアパートとは思えないほど荒れていました。誰も住んでいないから、管理人とかも掃除してなかったかもしれません。

あと、なんか9階全体に湿っぽい空気が流れていたのを覚えている。

一番上の階のくせに、光も心なしか4階より入ってないと思いました。

俺は怖くなって「もういいだろ……もどってゲームしようぜ…」と言ったけど、Aは「俺達で9階使おうぜ」とか言って、勝手に部屋を物色しはじめました。

……とは言っても全部鍵閉まってたから、小窓とかから中を見てただけだったけど。

それで、そんなことしながら、9階の一番奥の部屋の前に来ました。

この部屋の前が、またすごい陰気な感じで、もう早く帰りたかった…。

Aはそんな俺の気持ちも知らずに、ドアノブをガチャガチャやりだしました。

Aがふざけて呼び鈴を連打した時、事件が起きました。

ピンポン ピンポン ピンポン…………

中で呼び鈴が虚しく鳴ってる音が聞こえました。

Aも「つまんね」と言って、戻ろうとした時……

「はーい……」

いるはずない部屋の中から声が聞こえました。

女っぽいんだけどドスの効いた低い声でした。

「……」

二人で顔を合わせました。

一気に体温が下がっていく感じがしました。

体は冷えてるのに、じわじわ変な汗をかきはじめました。

「管理人か?」俺はAに聞きました。

「ここの管理人じーさんだぜ?」今この場で聞きたくない答えが帰ってきました。

二人でゆっくり部屋から離れようとした時です。

ガチャ………

鍵を開ける音がして

「あああああああああ………」

ドスの効いた低い声で唸るような声が聞こえました。

これはヤバイ…!!

直感した俺達はすぐに逃げました。

エレベーターは1階に戻ってしまっていました。後ろを見ると、半開きのドアの膝くらいの位置に赤黒い顔でかなり長い髪をした女が 「あああああああああ」と唸りながら俺達を見ていました。

今度こそ悲鳴をあげて、俺とAは非常階段から急いで下に駆け降りました。

俺は半泣きで、Aも「ヤバイヤバイヤバイ…!!!」と叫びながら降りてました。

1階までついて安心した俺達は、9階を見上げました。

すると、9階からじぃっと見てるあの女の赤黒い顔が目にうつりました。

もう後は、どうやって帰ったか覚えていません。

Aは、その日は俺の家に泊まりました。

翌日Aは、恐がりながらも親と一緒にアパートに帰りました。 その後は特に何もないとのこと。

でも、管理人のじいさんがなんかお供えみたいなのを持って9階に上がってくのを2~3回か見たらしいです。

結局聞かずじまいで俺もAもあれがなんだったのかもう今は知る由もありません。

今も 9階にいるんですかね……

長々と 駄文に付き合ってもらって、ありがとうございます。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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