ちょっと長いので誤字脱字があるかも知れません
あった時はアホだなぁと思ってスルーして下さい
祖父母の家が北海道のとある町にあり
子どもの頃はよく両親と遊びに行っていたんだ
祖父母の家はラーメン屋を経営していて
ソフトクリームなんかも売っていた
だからソフトクリームは自分で作って食べ放題だった
機械を操作してコーンにのせるのはけっこうコツがいるんだ
まぁそれはともかく遊びに行くのはすごい楽しみだった
だけど泊まるのは嫌だった
嫌というよりなんか怖かったんだ
なんせすげー古い家で
築何年なのかは知らないけど50年くらい経ってるような古い木造建築だったんだ
トイレはもちろんボットン便所だったし
それに豪雪地帯だったので冬はすごく寒かった
湯たんぽがないと寝れないくらいの寒さなんだ
その日も一泊してから帰ることになっていた
部屋は2階の大広間で両親と俺と弟の4人でいつも寝ていた
寝るときにしか行かないような部屋なのでよく覚えてないのだが
なんかよく分からない不気味な置物とかがいっぱいあったのを記憶している
子どもだったので暗闇にうかぶそれらはさらに恐怖心を倍増させたんだ
孫が喜ぶとでも思ったんだろうか
天井から何故かぶら下がってた巨大ミツバチハッチの人形さえ怖かった
ハッチがいつ見てもこっちを見下ろしているんだ
こっち見んな
だから夜はふとんの中でうずくまって朝を迎えるのがベストなんだが
トイレという生理現象だけはどうしようもない
俺は用を足しに一階へ降りた
階段が急でせまく降りるのも一苦労なんだ
怖かった俺は急いで用を足し部屋へ戻ろうとしたんだが
居間の方でドスンドスンと足踏みするような音がしたんだ
トイレの場所と居間とはドア一枚隔てているので直接確認が出来ない
ちょっと怖かったがじいちゃんかばあちゃんが起きてるのかと思ってドアを開けたんだ
けれど誰もいなかった
ただの聞き間違いかと思って引き返そうと思ったらまたドドンドドンと音がした
今度はアイスなどの機械が置いてある作業場の方だ
作業場と居間とはドア一枚で隔たれている
恐怖心と好奇心がせめぎあっていた俺は結局好奇心が勝りドアを開けて覗いてみたんだ
真っ暗な暗闇の中を目を凝らして見渡してみた
特になにかあるわけでもなかった
と思ったら
ドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタ
と人がかけていくような足音がした
驚いた俺は完全にフリーズしてたと思うんだが
足音は暗闇のさらに奥へ消えたいった
作業場はけっこう広い
足音から推測するに左に曲がった先の材料なんかが保管してある倉庫の方へと行ったみたいなんだ
俺はかなりビビっていたと思うが気になったら確かめずにはいられない困った性格だったため
足音を追って倉庫の方に行ったんだ
ホラー映画なんかだときっと最初に死ぬ奴だな俺
びびり足で倉庫に行った俺は恐る恐る足音の正体を探した
んでいろいろものがごちゃごちゃしている中にそいつはいたんだ
そいつの姿は
頭の大きな赤ちゃんがそのまま小学生になったようなとても大きな頭をもった子どもだった
坊主頭で目がやたらでかい
黒目の割合が大きく気持ち悪い
体が小さく2頭身か3頭身くらいだったろうか
性別はたぶん男だろう
そいつに性別があるのかは知らないが
俺は死ぬかと思うくらいビックリした
ビックリしすぎて声が出なかったのが幸いしたのか
そいつは俺に気づかず何かをボリボリ食っていた
どうやらアイスのコーンを食っているらしい
「おにゃあおにゃあおにゃあおにゃあおにゃあ」
なんかよくわからない猫のような鳴き声を出しながら一心不乱にボリボリ食っていた
俺はどうすることもできずただ直立したままそいつを見ていたんだ
ボリボリボリボリボリボリ
「おにゃあおにゃあおにゃあ」
ボリボリボリ
「おにゃあおにゃあ」
ボリボリ
「おにゃ」
どうやらそいつも俺に気づいたらしい
食うのをやめ俺の方をふり向いたんだ
かと思ったら
「いきゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
突然大きく口を開けて黒目を見開き
ものすごい悲鳴というか超音波みたいなのを出したんだ
俺は耳がちぎれるかと思った
両耳を手でふさいだんだがそれでも脳に響くようなすさまじさでガンガンくる
ドダドダドダドダドダドダドダドダドダ
そしてやつはすごい勢いで俺の方に這ってきた
そこで記憶がない
俺はそこで気を失ったみたいなんだ
じいちゃんに起こされた時はもう朝だった
どうやら倉庫で寝ていた俺を朝の仕込みにきたじいちゃんが見つけたらしいんだ
じいちゃんに今の出来事を話したんだがなにぶん説明が下手で旨く伝わんない
ただ悲鳴のようなものは聴こえなかったらしい
起きてきた家族に話してもきもちわるいわねぇで終わった
淡白すぎる両親に腹が立ったよ
結局寝ぼけていたんじゃないかということにされていた
祖父母の家は老朽化のため5年ぐらい前に取り壊してしまったのだが
あれがなんだったのかは今もよくわからない
俺の方はあのあと中耳炎に2回かかり耳が少し遠くなってしまった
これは記憶にないけど親が言うには治療中
やたら「殺されるー殺されるー」と叫んでいたらしい
少し医者がかわいそうだったとか
淡白すぎる両親にはほんと腹が立つよ
それに猫の鳴き声がやつの「おにゃあ」に聴こえたりして今も不安な毎日を送っている
もしかしたら妖怪の一種かも知れないと思って調べてみたが特に収穫もなかった
なんか知っている人がいたら教えてほしいくらいだ
怖い話投稿:ホラーテラー むらくもさん
作者怖話