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中編3
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難聴の少年

昨年の7月友人の子供(小学5年生)のT君が泊まりに来ました。

T君は生まれつき難聴で補聴器を付けてやっと聞こえる程度です。

私は飲食店をしていまして、2Fが住まいです。

T君はわしの仕事が終わるまで2Fでゲームをして待っていました。

仕事が終わったら焼肉を食べに行こうと約束をしていたので、その日は早めに仕事を終わり、借りてある駐車場までT君と行きました。

夜11時頃の駐車場には人気はありません。

私の車に向かって歩いていると、

「あの白い人何してるの?」

とT君は聞いてきました。

もちろん誰も居ない駐車場なので

「お前が見えるからって誰もが見える訳じゃないよ」って冗談交じりに言いました。

本当は気味が悪かったのですが・・・

私は焼肉屋に行く車の中で器官の一つに障害があると別の機能が働く人もいるのかなぁと思っていました。

別のある日

その日は店が暇だったのですが、一人のお客さんが来店しました。

お客さんは一通り注文すると一杯飲みながら世間話をしてきました。

話を聞くとその人は設計士らしいです。

私「お近くに住んでいるんですか?」

客「○○ってマンション知ってる?」

私「知っていますよ。配達も行きますし。」

実際配達に行ったことは有りますが、良い印象は有りませんでした。

そこはガセの注文が多くて配達に行くと「頼んでいません。」と言われ、そうしているとそば屋が着たりピザ屋やすし屋・仕出屋なんかも来て玄関が出前でいっぱいになってしまいます。

客「始めて来てこんな話をしたら編に思われるかもしれないけど、聞いてくれる?」

私「いいですよ。」

客「マスターは幽霊って信じる?」

私「興味は有りますよ。」

客「あのマンション幽霊が出るんだよ。」

私「どんな感じですか?」

客「友達とゴルフに行って、帰って部屋で友達と談笑していたら目の前を白いモヤがすーっと通ったんだ。

たまに彼女が来るんだけど、女が居るっていわれるし・・・

玄関に置いてあるゴルフのセットがいきなりみんな倒れたり・・・

壁にベルト何本かを吊ってあるんだけど、ゆっくり動き出して90度横になったり・・・

夜寝ていると突然バーンッって押入れのふすまが開いたり・・・」

と言う様な話をしていました。

すると店の自動ドアが急に開きました。

もちろん誰も居ません。

私と客は「ウォッ」ってびっくりしたのですが、

接触不良でたまにこういうことが有るんですと取り繕いました。

そうしているうちに車が店の前に止まり、T君とお母さんが来ました。

お客さんは気を利かせて精算を済ませて帰りました。

T君はにこにこしながら

「今のお客さん、白い人が重なっているよ。」

って言いました。

カンベンして欲しかったです。

明日はT君の飼っている猫のトラが迷子になってしまったらしく、仕事が終わったら一緒に探す約束をしました。

でもT君の何気ない一言が怖いです。

怖い話投稿:ホラーテラー オレンジさん  

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