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中編3
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僕と彼女と親友と

クリスマスが近づき、町のイルミネーションが賑やかになってきましたね。このお話は、去年のこの時期に起こった、僕と彼女の共通の親友に関する話です。

去年は、例年よりも一足早い初雪が降っていた。

俺「今年は暖冬だって言ってたのに、寒くないっすか?」

彼女「あんたが寒がりなだけじゃない?」

俺「いやいや、んなことはない、なぁ?」

親友「確かに寒いけど、お前の寒がりは異常だな。今日は何枚重ね着してんだよ?」

俺「5枚です!」

いつものように他愛ない話をしながら、僕たちは大学へ向かっていた。でも、今日は違っていたんだ。

親友「なぁ、お前たち付き合って何年になる?」

俺「3年だけど、急になんだよ?」

彼女「T(親友)君も彼女ほしくなってきたぁ? なら私が立候補しよっかなぁww」

俺「お前は黙れチビ!」

彼女「うっさいハゲ!」

親友「相変わらずお前たちは仲いいなぁ」

『どこがぁ!!』

親友「そこがww それでさぁ、お前たちに話さなきゃならんことあってさぁ。俺もうすぐ死ぬから、後よろしくな!」

『はぁぁ?』

俺「なにいってんのお前?」

彼女「冗談でしょ、T君?」

親友「……… まぁ、冗談にきまってるよねぇww お前たちがあんまり仲いいもんだから、寂しくて死んじゃうかもってなww」

俺「ウサギか、おのれは!」

彼女「だから私が…」

俺「黙れチビ……」

彼女「黙れハゲ」

親友「またかよww」

そんな話をしながら、俺たちは道のりを歩んでいたんだ。

そして、クリスマスイブの前日、23日に親友は死んだ。

その日親友は、俺から借りた自転車で帰宅中に、バイクに跳ねられた。

葬儀は親友を偲ぶものたちで溢れていた。親友はとても社交的で誰からも好かれていて、俺は親友を誇りに思っていたことを改めて感じた。

葬儀も無事に終わり、彼女との帰り道に、

彼女「ねぇ、黙ってようと思ったんだけど無理。これ、T君の真実が書いてあるから読んで!」

手紙だった。宛名は彼女、差出人は親友だった。(以下、手紙の内容)

「これを読んでいるころには、俺はもう死んでるかな。Y(彼女)だけには真実を知ってもらいたくて手紙を書きました。

あの日俺はK(俺)の自転車を借りたよね? いつもKとYが2人乗りして帰る自転車を。

いつだったかなぁ? 夢を見てさぁ、事故にあって死ぬKの夢をね。黙ってたけど、時々みるんだよね、予知夢。

あの日事故に合うのはKとYだったんだよね。Yは大事には至らなかったけど、Kはだめだった。そんな夢を見たんだ。

でも、それをKに伝えて、その日の事故を防げても、また災難がKにやってくる。そういうもんなんだよね、俺の予知夢って。

だから、Kを助けるには、あの日に誰かが犠牲になるしかなかったんだ。

俺はお前たちが大好きだった。だから、KとYの幸せを守る為なら、死んでも良かった。KとYの親友であったことを誇りに思う。

ー追伸ー

恩着せがましいから、このことは言わないほうが良かったんだけど、俺も人間だから、功績を伝えたかったんだよねww Yなら、俺をヒーローと崇めてくれるかなってねww

でもKには絶対言うなよ。あいつバカだから理解できないだろ? それじゃ、またな」

俺「それじゃまたなって、また会えねーよ… バカはてめーだ」

皆さんには誇りに思える親友はいますか?

俺にはいますよ。誇りに思える、大好き親友が。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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せちがらい世の中、心に響く話だね。

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