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短編2
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裸のおじさん

僕はよく金縛りにあいます。“金縛り”とは…体は眠っていて、脳は起きた状態。肉体は睡眠をとっているが、意識は覚めている状態、であると聞いたことがあります。僕にとって“金縛り”は珍しいことではなく、特に怖いと感じたこともありませんし、心霊現象と結びついていると思ったこともなかったんです。

ある日僕が眠り始めてすぐに、金縛りにあいました。いつもなら、少し経つと金縛りがおさまり、また眠りにつけるのですが…その日は違いました。

僕は右手を下にして横向きの状態だったのですが、背後に何かが存在している様な気がしたのです。幽霊?目を開けて、斜め後ろを見ると霊の腕が見えました。濃い腕毛が生えています。男だ!

僕の心臓はバクバクと鳴っていました。早く金縛りから解放されたいと思いました。

…背後の腕が動き出しました。僕の腰に指先が触れ、さらに抱きかかえる様に胸元まで伸びて来ました。その霊のザラザラとした腕の感触が伝わって来ます。最後には僕に覆い被さって来ました。

その時、霊の全身像が初めてハッキリと見えました。50代くらいの裸のおじさんでした。

僕が覚えているのはそこまでです。翌朝目覚めて、“あぁっ!怖かった!初めて確かに…確かに!幽霊を見てしまった。裸で密着されて気持ち悪かったぜ”と思いました。

それから歯を磨いて顔を洗って、トイレに入りました。

下痢!いつも快便の僕が下痢!

その時気が付きました。僕は昨夜、ゲイの幽霊に“掘られた”のだと…

二つの意味で初めての夜でした。

怖い話投稿:ホラーテラー すーばーさん  

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