高校の時の話
「おい!見たい夢を見る方法があるらしいぞ!」
「どんな方法だよ」
「見た夢、それをノートに日記に書いて記録しておくんだって!」
「嘘つけ!夢は日常起こったことを整理してるって聞いたぜ?」
「それを記録しちゃうと、頭が整理されないから、ダメらしいじゃねぇか、誰からそんなダメ知識教わったんだよ」
「フフッ、どうらやアレは嘘らしいぜ、聞くけどよ、お前ら以前見た夢とか何となく覚えてる夢あるだろ?」
「それぐらいあるよ」
「怖かった夢とか覚えてるよ」
「何か頭の中、整理されてないのか?」
「・・・いや、そんなことはないね」
「だろ?見た夢を日記に書いていくと、だんだん夢を見てるときに、あー、これは夢だなーってわかるようになるんだって」
「それで?」
「夢の中で、これは夢だ!ってわかるんだぜ?あとはやりたい放題だろ?登場人物だって思うだけで出てくるんだって、だって夢だもん」
「なるほどねぇー」
「試してみる価値はあるかもな」
その話は瞬く間にクラス中に広がり
どんな夢を見たの、こんな夢を見たの、実際、見たい夢を見たの、話をしていた
か、毎日毎日、夢を見ないやつが多く、次第に廃れていったものの、友人の一人、Aはずっと続けていた
夢に芸能人が出て来て話をした、誰々をぶん殴ったの
ある日のこと
「お前!いい加減にしろよ!」
Aの怒鳴り声が聞こえた
見に行くと先生の胸ぐらを掴んでいた
「A、お前はさっきから何を・・・」
「オレの悪口ばっかりいいやがって!」
正直、Aは人の胸ぐら掴むようなヤツじゃない、例え、悪口を目の前で言われても
掴みかかってる先生にしても、人を誉めることをしても悪口なんて言う先生じゃない
「A、やめろ」「とりあえず離せ、な?」
数人によって引き離されたが
「お前らはいつもそうやってオレに逆らうんだぁ!」
まわりのヤツに殴りかかっていった
「Aのやつ、どうしたんだ?様子がおかし過ぎる」
「そりゃそうだろ」
「なんで?どういう意味?」
「あのな、ほぼ毎日夢を見てるって寝不足だろ?で、毎回、夢を日記に書いてると、だんだん、夢と現実の境目が分からなくなってくる」
「じ、じゃあ」
「Aは頭の中が夢と現実がごっちちゃになってる、恐らく、夢ではあの先生が悪口言って、みんなが逆らってるストーリーがあるんだろw」
Aが鬼のような顔をして、こっちに突進してきた
手にはキラリと光るものを握りしめて
怖い話投稿:ホラーテラー GAGAAMANさん
作者怖話