去年の夏の夜の話です。
私と妹のミナ(仮名)は叔母の家に宿泊していました。
しかし、慣れない布団になかなか寝付けられずにいた私達は怪談話をする事にしたのです。
妹の怪談話はトイレの花子さん+メリーさん。
私の怪談話はお岩さん。
途中で詰まる事なく無事に話し終えた私達は、喉が渇いたので台所へ行きました。
冷蔵庫を開けてどれを飲もうか迷っていると、近くにいた妹が短くヒッ、と声をあげたのです。
急いで妹の顔を見ると目を見張って私の後ろの窓を凝視していました。
振り返ると、見知らぬ男が窓に張り付いていたのです。
警察に連絡しなきゃ、と頭の隅で思っていたのですが、身体が硬直して動く事が出来ません。
その時、我に返った妹がテーブルに置いてあったソースを窓に向かって投げました。
男の顔がいる窓にソースが命中。
ソースが落ちた時、男の顔が消えていたので私達は叔母の所へ行き事情を説明。
止める私達を振り切って叔母は外に出て見に行きましたが誰もいなかったとの事。
結局、寝ぼけていたという事になりましたが、私達は寝ていません。
あれは一体何だったのでしょう。
そう思うのは、あんなにはっきりと男の顔だと認識出来るはずがないと気付いたからです。
窓はガラスではなく、磨りガラスでした
怖い話投稿:ホラーテラー リエさん
作者怖話