【重要なお知らせ】「怖話」サービス終了のご案内

中編4
  • 表示切替
  • 使い方

5本脚

今から俺がした恐ろしい体験について話そうと思う。

長くなるし、読みづらいと思うがよかったら聞いてほしい。

俺、昔リサイクルショップで机買ったんだよ。

木でできてる旅館とかにありそうな木目のある、

なんていうか、端がまっすぐじゃなくて波みたいにカーブしてるやつ。

すまん説明が下手くそで。

ところどころ木が作り出した、自然にできた穴みたいのがあいてるんだ。

それがいい味でてて、俺は即座に買うことを決めたよ。

もう、どんなに高くても買ってやろうって思うくらいに気に入ったんだ。

店員呼んでいくらするのか聞いたら、以外にも5000円とお手頃価格で驚いた。

「さっき置いたばっかりなんですよ。

お客さんが第一発見者かな?」

なんて店員が言うもんだから、俺は気をよくして

5000円札あるのに万札とか出して調子乗ったよ。

マジであの時の俺を殴り飛ばしたい。

その後手続き済ませて、俺の家まで机を送ってもらったわけだ。

空けておいたスペースにもぴったりで申し分なかった。

でも実はその机ちょっと変わってるところがあったんだよ。

机って大抵角4か所に脚があるじゃん?

でも何故かその机はちょうど真ん中にもう一本あって、5本脚だったんだ。

そこが気に入った一番の理由だったんだけどな。

とにかく晴れて俺の家に仲間入りしたそいつを

俺はしばらく普通に使っていた。

そしてある日、いつものようにその机でチキ●ンラーメンを食べてた時に、

前述したあいてる穴の一つから何かくるまってる白い和紙?みたいな感じの物体

が少しだけ出てるのに気づいたんだよ。

真ん中にある、一番大きい穴からだった。

何だろうと思って抜こうとしたんだけどこれが全くびくともしない。

でも少し出てるのも気持ち悪かったから俺ははさみで出てる部分を切り落とした。

その日の夜、変な夢を見た。

俺の机が逆さまになって床に置いてある。

俺が元に戻そうと近づくと、いきなり机が浮き上がる。

いや、正確に言うと、下にいる何かがそれを持ち上げてる。

それが何なのかは分からなかったが、

とにかく気色の悪い夢だった。

それから毎日、同じような夢を見た。

でも少しずつ変わってるところがあった。

まず一つ、俺のいる位置がどんどん机に近づいている。

そして第二に、机の浮く高さがどんどん高くなっている。

毎朝目覚めは最悪だった。

あの机の下にいる物体の正体が気になって仕方がない。

そしてある日の夢でその正体が明らかになった。

髪の毛だ。

異様に長い髪の毛が束になって木の根のような形になって、机を支えてた。

ちょうど真ん中の穴から髪の毛が出てるのが分かった。

目を覚ましたら汗だくだった。

こんな怖い夢を見たのなんて小学生ぶりぐらいだった。

正直その机を使う気が失せたよ。

それで起き上がって何だかドキドキしながら

机の上にある眼鏡を取りにいって俺はギョッとした。

机がありえない方向向いてんだよ。

相当でかい地震かなんかが起きないとあんな風には絶対ならない。

俺はすぐに降参してその日のうちにそういうの詳しい友達に相談して

一緒にお寺に机を持っていった。

実際触るのさえ怖かった。

お寺の関係者がその机を見たとたん

目つきが驚くくらい鋭くなったのを覚えてる。

それではやくこっちへ運べって急かすもんだからめちゃくちゃ焦った。

言われた通りに部屋の中に運んだら、俺達は追い出された。

部屋の中からはお経みたいなのが聴こえてきた。

俺と友達は会話する余裕もなく、

無言のまま隣の部屋で出されたお茶を握りしめたまま待機していた。

しばらくすると、坊さんが部屋から出てきてもう大丈夫ですよと一言いった。

除霊みたいな儀式が終わったようだった。

もう入ってもいいと言われたので、俺達が机のある部屋に入ると、

机は俺の夢のように逆さまにの状態で置いてあった。

坊さんは、「今から真ん中の足を取り外す」と言って取り外し出した。

中身を見たとき、ほんと小便ちびるかと思った。

取り外した足は中が空洞の状態で、ぎっしり髪の毛がつまってた。

そして穴のところには、どうやら俺が切り取った和紙の正体であろう、くるまって穴に入り込んでいる紙があった。

坊さんがそれを穴から抜いて広げると、お札のようだった。

「上部がなくなっていますが、あなたが切り取ったのですか?」

と坊さんに聞かれて、俺は頷いて経緯を説明した。

すると今度は坊さんがその机について話してくれた。

坊さんが言うには、5本脚の机というのは、かなり縁起が悪く

あのように真ん中の脚に何か悪いモノが憑いてることが多いのだとか。

俺の机に憑いてたモノはそこまで強いわけではないらしいが、

強いとか弱いとか関係なしに、とにかくめちゃくちゃ怖かった。

説明してくれた後、坊さんが念のためと言って

俺と友達にお守りをくれて、机は寺側で処分してくれた。

その後俺達には何も起こってないが、

俺はどうしても怖くて引っ越しをした。

今は何事もなく元気に暮らしている。

ただこれだけは言いたい。

もし、皆さんがどこかで5本足の机を見つけても

絶対に買わないでほしい。

俺のように怖い思いをするかもしれない。

ただ静かにその場は離れてほしい。

END

怖い話投稿:ホラーテラー そんな匿名で大丈夫か?さん  

Concrete
コメント怖い
0
1
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ