知り合いの和尚さんに聞いた話です。
俺は用があって、和尚さんの寺に向かった。
門を入り、寺に続く階段を昇っていると、途中に大きな木があり、いつもは気にせず通り過ぎるが、その日は何故か気になったので近寄ってみた。
.....後悔した。
それは、沢山の釘が打ち込まれた藁人形でした。
中からは髪の毛の様なものがはみ出ていて、呪いの相手であろう顔写真は誰か判らないほど打ち込まれている。
俺は驚き、すぐに和尚さんを呼びに行った。
和尚【ありゃ、またか】
俺【...また? そんなにしょっちゅうあるんですか?】
和尚【うん、最近はめっきり減ったから安心してたんだけど、いつ見ても嫌なもんだ。】
気持ち悪くて本当に嫌だった。
和尚は馴れた様に白い手袋をすると、それを外しながら俺の疑問に応えてくれた。
俺【こんな事して、そもそも本当に効果があるんですかね?】
和尚【効果があってもなくても、怖さを知らずにやってる輩が多い!】
そもそも呪いは自分より弱い者や弱っている者にしか効かない。
そして呪った念力は、留まったり消滅する事は無く、必ず戻って来て自分を苦しめる。
ひどい場合は、それが原因で不治の病にかかったり、気が狂ったり、最悪死んでしまう事もある。(念返りと言う)
念返りにはもう一つあって、相手が自分よりも念が強かったり、先祖や神様に守られていると、効かない上に守護している存在の力に比例して、もっと強大になって自分に返ってくる。
生半可に効力があるから、呪いの藁人形は中々無くならないらしいが、うまく相手を呪えたとしても「人を呪えば穴二つ」は本当の事だと言ってました。
和尚さんが、これだけは覚えていてと言ったのが、殆どの人には守護霊がついていて、様々な事から守ってくれているが、どんなに相手が悪くても呪うような事をすれば、守護霊や先祖はその人と波長が合わなくなり、守りたいのに護れなくなるのだそうです。
【因果応報の原理で人に辛い思いをさせた人間には必ず報いは来る!】
と言ってますから、それを信じて普段からなるべく言いたい事は言って、溜めない様に前向きに生きて行きましょう!
怖い話投稿:ホラーテラー りんごあめさん
作者怖話