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短編2
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あの年頃

あの年頃といっても、物心がついてまだ間もない頃。

いつからだったかわからないが、それくらいの頃には、不思議なものを見るようになっていた。

別に、ズタズタ引き裂かれた衣服をまとった血まみれの女性が・・・・・・というものではなく、

なんというのかなあ、その時には簡単に、そちらへ行くことができた。

別に、天国だとか、そういうものではなく・・・・・・

たびたびこういったサイトを読んでは、似たような話をしている人はいないかなんて見ているのですが、

そんな話をしている人は、まだいない。

当時は誰しもが同じ体験をしているのだと、別に大人になるまでの通過点なんだと思っていたので、

誰にもこういった話はしなかったけれども、

まあ、こんな際だからというので、投稿させてもらうことにする。

確か、小学2年のことだったと記憶している。

市営の団地に住んでいた私は、夜、テーブルに肘をついて頭をもたげていた。

部屋には母が、洗濯物をたたんでいて妹は、机に向かって絵でも描いていただろうか・・・・・・そんな時、

私はその二人を視界に入れて、

(そうだよなあ・・・こうすれば・・・・・・こうなるよなあ・・・・・・)

と、それより以前から、そういったことを体験していたのだ。

頭をもたげている手を、少しガクッとずらす。すると・・・

それまで母と妹がそこにいて、机があり、洗濯物があり、目に見えるのは今いるその部屋の景色。

しかし、手をずらした瞬間、世界がパッと切り替わるのだ。

真っ白に!

辺り一面真っ白になり、影すらも見えない。突起すらもない真っ白な世界。

どこまで行っても、上を見ても下を見ても真っ白な世界が目の前に広がる。

人も誰もいない。動物も、虫も、自然もな〜んにもない世界。

そして、元の世界に戻るには、どうすればよいのか。

これもまた知っていた。

もう一度、頭をガクッとずらせばよいのだ。

すると元の、母が洗濯物をたたんでいる、妹が机に向かって絵を描いている、その部屋に戻る。

そんなことが稀にではあるがあったのだ。

白い世界。

今はそちらには行けないが、

なんなのだろうと、不思議に思う。

怖い話投稿:ホラーテラー ななしさん  

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