これは私の担任の先生が実際に体験した話です。
先生が前の小学校にいたころの夏、林間学校に行き、ある夜みんなで肝試しをしたそうです。
先生は生徒を驚かす役で、道端で、白い着物のかかったハンガーをくくりつけたロープを木の枝に引っ掛けて、生徒たちを待っていました。
そして、生徒がやってくるとロープを引いたりゆるめたりして白い着物をゆらゆらさせ、生徒を驚かします。
やがて肝試しが終わり、生徒たちが先に宿舎に戻った後、先生たちも帰ってきました。
その先生も宿舎に戻ると、生徒たちが集まってきました。
「先生、肝試し面白かったよ!」
「俺もー!だって先生おかしいんだもん」
先生は子供たちの様子を見て疑問に思いました。
白い着物がふわふわしていたのがそんなに面白いでしょうか?
普通怖がるはずでは?
でも確かに、不思議に思っていたのですが肝試し中の生徒たちを思い出すと、みんな笑っていました。
「え?・・・おかしかったって?」
「えー だって先生白い着物着てゆらゆら踊ってたじゃん」
「そうそうこんな風にゆらゆら~って」
ある生徒がふらふら腰を回すようなダンスをしてみせました。
「・・・先生踊ってなんかないよ、白い着物をゆらしてただけだよ」
しかし誰に聞いても、確かに先生は白い着物を着て踊っていたというのです・・・
怖い話投稿:ホラーテラー ピーさん
作者怖話