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時間の狂った監視カメラ 

短編2
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時間の狂った監視カメラ 

監視カメラは誰でもご存知だと思う。コンビニや銀行ATMで使われているアレだ。

監視カメラは、その他に病院や老人施設など、医療関連の施設でもよく使用されている。

しかし、皆さんはこのカメラの被写体をモニターに映し出すまでに、少し「タイムラグ」があることまでは知らないのではないだろうか?

簡単に説明すると、「カメラは10時の場面を映している」「しかし、実際にモニターに映るのは10時1分」という具合だ。

これはカメラとモニターとの間に色々機械的な処理(詳しくは知らない)があるからだそうだ。

…とある病院の監視カメラもずいぶん古いモノだったので、よく時間がズレていることでちょっとした問題になっていた。

しかし、大きなズレでもなかったので、病院側に買い換える予定は全くなかった。

この事件が起こるまでは…

某老人病院では、廊下に監視カメラが備え付けられていた。

これは、患者が何かの拍子に床で滑って転んだときに、夜でも看護師が素早く対応できるようにするためだ。

ある看護師(A氏)が当直の日にカメラのモニターをじーっと眺めていた。深夜だったので、廊下には誰も通らず、当然モニターにも何も映らない。

「今日も何もなさそうね、仮眠でもとりましょう。」と思い、欠伸をしながらモニターを見ていると…患者ではないのだが、見覚えがある(?)人が映った。

小走りのようだ。

…よく見ると、それは患者ではなく、看護師だった。

「誰だろう?なぜ、小走りなんだろう?」

と気にはしたが、違う病棟の看護師が来たのかな?と思い、すぐには見に行かずしばらくモニターを見つめていた。

すると、何と…その後ろからさらに知らない人が現れた。

その人は先ほどの看護師とは違い、全く見覚えがない。

「一体誰?」と思いつつも、A氏はモニターを見続けた。

…その看護師は背中を刃物で刺された…

一瞬の出来事だった。

看護師も小走りだったせいか、背後にはあまり注意しなかったようだ。

A氏はすぐにナースステーションを出て現場となった廊下に行った。

結果…A氏は帰らぬ人となった…

監視カメラの時間の狂いは、必ずしも「遅れ」ているだけとは限らない。

場合によっては、「早く」なっていることもあるかもしれない…

そのカメラとモニターには、ほんの1~2分「早い」映像が映しだされていた。

怖い話投稿:ホラーテラー たけっぴさん  

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