ある精神科医は昔、人を殺したことがあった。
診察中に興奮した(?)見知らぬ高齢者が自分に襲いかかってきのだ。
彼は思わず持っていたペーパーナイフで患者に対抗した。
その結果、患者を死に至らしめてしまった、ということである。
彼はずっとそのことを後悔していた…
医師として…人間として…
…それから何十年か時がたった。
彼の頭髪は薄くなり、体型もすっかり老人のそれになっていた。
そんな中でも、彼はずっと過去の過ちを悔い続けていた。
…世には「タイムマシン」というものが完成していた。
ただし、乗るには莫大な費用がかかる。
しかし、彼はそんなこともお構いなしにタイムマシンへの搭乗を熱望した。
乗る理由は…自分が犯した何十年か前の過ちをなかったことにするためだ。
過ちの年、時間、場所…
彼はこの何十年、一度たりとも忘れることはなかった。
かくして、彼はやや興奮状態でタイムマシンに乗った。
着いた年は、相手を死なせてしまった年とぴったり一致。
時間も死なせる数分前だ!
そして、患者を死なせてしまった診察室へ向かった。
若き日の自分を止めるため…!
彼はかなり興奮していた。
怖い話投稿:ホラーテラー たけっぴさん
作者怖話