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短編2
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変わり果てた山

久しぶりに鈴鹿山系に登山に行きました。しかし、途中で断念せざる得なかったのです。ご存知の通り、私が住んでる寮周辺ではヤマビルの大量発生地域でありまして、今年も例外ではなく、ヤツらからの吸血被害が絶え間ない状況でした。ようやく寮周辺地域でのヤマビル目撃&被害情報も減りつつあり、全国有数のヤマビル多発地帯で有名な鈴鹿山系に潜むヤマビル達も、冬眠に入ってるだろうと思い、登山に踏み切りました。でも、この油断こそが私の誤りでした…〇原岳登山口から二合目付近で、私の両太ももに何やら違和感が…

まさかなぁ…と恐る恐るズボンをめくると…

あちゃー…やられてました。私の血をたっぷり吸い、見事なまでブクブクになったヤマビルが、両太もも計四匹張り付いてました…

この時点で登山の切り上げを決心し、太ももに吸着してるヤマビルを剥がす作業に取りかかったんですが、この時立ち止まったのがいけなかったみたいで、いつの間にか私の腕の裏側にもデカ目のヤマビルが張り付いてました…

もう限界です。

私は、緊張の糸が切れたのごとく、ヤマビルを腕に張り付けたまま、ダッシュで登山口まで下山しました。でも…

ここからが本当の恐怖でした。

登山口まで下山して、腕に張り付いてたヤマビルに根性焼きをかまし終えた後、私の靴内部が、どうもジメジメするのに気づいたんです。雨の日に、水溜まりにはまったような感じです。ダッシュで下山したので、汗でもかいたのかと思い、靴を脱いでみると…それは、汗ではなく私の鮮血でした。靴内部には、複数の潰れたヤマビルがおり、私の靴下が黒だったので気づかなかったんでしょうけど、あちらこちらに染みが滲み出てました。染み付近を触ると、軟らかい嫌な感触が鮮血と共に伝わりまして…

結局、8カ所ヤツらに献血してしまいました。いや、寮に到着し、着替える時にお腹から2カ所出血が見られ、もしやと思い、背中を鏡で見てみると…

1ヶ所の出血と、まだしつこく一匹のヤマビルが張り付いてました。無理やり剥がすと余計に出血するので、背中に奴を張り付けたまま入浴しました。そして、奴はいなくなった…

昔は、11月となるとヤマビルの活動も大人しくなったはずでしたし、鈴鹿山系もごく一部の沢添いにしか生息しなかったのに…

何かが変わりつつあるのだろうか…

とにかく地獄絵巻を見てるような体験でした。

怖い話投稿:ホラーテラー 死霊のはらたいらさん  

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