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短編2
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赤き丸

警察から、我が社のタクシーが県境の山道で放置されていると連絡を受けたので、営業所の管理職だった私が現場へ向かうことになりました。

駆けつけると、何台かパトカーが停まっていて、警官たちがうちのタクシーを調べていました。

見ると、車体に五百円玉くらいの赤い丸が点々といたるところについています。

血ではないそうです。

警官たちも不思議がっています。

車内もその丸で一杯でした。

放置されていた車で営業していたのは、夜間勤務に出ていたベテラン運転手のYさんです。

ケータイに連絡してみましたが繋がりません。

事件の可能性があるから車を預からせてくれという警察の意向を、連絡を取った上司に伝えると、好きにさせていいということなので、全て警察のいう通りにしました。

Yさんは奥さんと二人暮らしだったはずと、自宅に連絡を入れてみました。

こっちも繋がりません。

Yさん夫妻はその日以来姿を消してしまいました。

私服の刑事が職場に訪ねてきたのは、あれから十年近く経ち、タクシー会社を辞め、家電量販店に勤めていたときのことでした。

二人組の刑事は私に、あるビデオを見てもらいたいとテープを持参してきました。

店の応接室でそのビデオを見ます。

ホームセンターの防犯ビデオだそうです。

上から店内の様子を映しています。

ピエロです。

たくさんのピエロが店内のいたるところに。

十や二十じゃききません。

百人はいたんじゃないかと。

背格好からしてみんな子供です。

それが赤くて丸い鼻をポンポン、壁や柱や床棚に押しつけています。

子供のピエロに交じり二人、顔だけ子供たちと同じ白化粧をした大人のピエロがいました。

道化服姿の子供とは違い、大人たちはブリーフを一枚穿いただけの姿です。

二人とも小太りで、しかも一人は女性。

子供のピエロと同じように鼻をポンポンとあちこちにくっつけています。

男のピエロの癖のある歩き方に見覚えが。

あれはYさんと同じ歩き方……。

両件とも鋭意捜査中だとのことです。

こんにちは。

最近 見つけた本で、

読んだお話です。

おもしろかったので、投稿してみました。

喜んでもらえると嬉しいです。

怖い話投稿:ホラーテラー まめたさん  

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