ある晴れた日曜日。
私は縁側に出て日向ぼっこをしていた。
たまの休日に、こうしてのんびりするのは最高に至福の時だ。
私は座布団を枕代わりに
頭に敷き横になった。
庭で、洗濯物がゆらゆらと揺れている。
心地の良い風が全身を吹き抜けてゆく。
うつらうつらと、眠たくなってきた。
だが、そいつが来て眠気が一気に吹き飛んだ。
そいつは、庭に干した白いシーツの間からゆっくりと現れた。
黒い衣服に、骸骨のような顔。手には大きな鎌を
肩越しに抱えていた。
そいつは、私に向かってこう言った。
「オマエか?」
「い、いや・・・」
怯えながら、私は思わずそう答えていた。
「そうか」
黒い衣服の男は頷き、ふり返ってシーツの間を通り、塀を透き抜けてお隣の〇〇さんの家へ向かって消えてしまった。
何がなんだかわからず呆然としていると、妻が戻ってきてこう言った。
「お隣の〇〇さん所のおじいちゃん、さっき息引き取ったらしいのよ」
私は、この言葉を聞いてさっきのやつが死神であることを疑わなかった。
あのとき、私が「はい」と答えていたら・・・。
そう思うとゾっとする。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話