小学校の頃に私が体験したお話です。
近所の山に竹薮がありまして、そこは色々といわくの付けられた場所で、
地元では有名でした。
つちのこ、口裂け女、山姥など、都市伝説の集大成ともいうべき場所で、
子供達の格好の冒険と伝説の的でした。
この山の竹薮の奥に、人の住んでいない廃屋がありました。
この廃屋まで進めれば、まさに勇者と呼ばれるくらい不気味な家です。
山の入り口には、必ず数十名の子供たち(私も含めて)が屯しており、手にはBB弾の銃や、玩具の
剣などを持って、流行っていたドラゴンクエスト
の気分でした。
3人から4人がパーティ
になって、奥の竹薮へ進んで行くんです。大概は
遠目から廃屋に向かって
銃を撃ったり、爆竹を投げたりで帰ってきます。
あるとき、3人のパーティで私達はこの山へ入りました。
入り口で違うパーティと
口論になり(要は度胸の
多寡の問題です)僕らが
先陣をきって突入したわけです。
爆竹を鳴らしまくり、BB
弾を撃ちまくり、剣で草木を薙ぎまくりました。
もう夕方近くだったと思います。山の中はかなり暗かったので。
僕ら3人は、後方から続く5~6人くらいの奴らに見せ付けるため、竹薮を越えて廃屋まで近づいてしまいました。
ここまで近づいたのは、
僕らが初めてです。
後方から、さっきまで僕らを詰っていた奴らが逆に歓声を送っています。
僕らも後に引けなかったのかも知れません。勇者になったつもりだったのだと思います。
廃屋の正面口の扉は引き戸になっていて、それを
蹴り破ったのは僕です。
今でもよく覚えてます。
中は暗くて、すっごく怖かった。奥から山姥が出てきたらどうしようなんて思ってましたね。
けど、度胸のある二人が
中へ入って行きました。
尊敬しましたね。二人とも勉強は苦手だけど、こういうゲリラっぽい行動が得意というか。
僕は最後方で彼らの後ろに続きました。恐怖はもう限界こえそうでした。
内部は、広間から正面に仏壇があって、左奥には台所があるようで、右奥にはもう一部屋あるようでした。
広間にスケッチブックが落ちていて、そこに絵が描かれていて、子供が描いたマジンガーZの絵が妙にリアルで怖かったです。後は動物とかが描かれていました。
で、そのスケッチブックには赤いクレヨンで「だいどころにはくび」「おくのへやにはからだ」と書いてありました。僕の恐怖はもう、限界こえそうでした。
そのとき、友達が右の部屋の扉を蹴飛ばしたんですよ。
すごい音と埃の煙で。
「お、紙が落ちてる!」
友達はそう言って紙をひろいました。
「よんでみて!」
僕が言うと、友達が
「うしろみないで、だいどころからくびがくる」
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話