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短編2
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ばあちゃんの遺影

先日、以前から患っていた心臓病をこじらせてばあちゃんが死んだ。

淡々と葬式や告別式などを済ませ、やっと一息ついたのだが、それまで一貫して私は泣いてない。悲しいけど、涙がでなかった。

それから間もなく、四十九日でまたばあちゃんの家に訪れると、玄関にばあちゃんの遺影が立てかけてあった。 着物を着た、まだ元気なころのばあちゃんの姿。

でも、ばあちゃんの遺影を見たではなく、遺影の中のばあちゃんと目が合ったという方が適切な感じがする。ばあちゃんと目が合った瞬間、鳥肌がたった。

それからというもの、毎晩毎晩不可思議な音が止まない。父はポルターガイストだと悲しい顔して言うが、ばあちゃんは悪霊にでもなってしまったんだろうか。

一人暮らしになってしまったじいちゃんも以前、脳梗塞で倒れて以来脳に血栓ができやすい体質になってしまったらしく、長男の父は度々様子を見に行っていた。しかしその時に限って、ばあちゃん家でばあちゃんを見るそうだ。しかもじいちゃんを襲うような感じだったと悲し気に漏らした。

父が帰ってこなくなったのは今日で半年。ばあちゃん家から「今から帰る」という連絡を最後に、消息を絶ってしまった。父は写真家の仕事柄、私達家族に連絡せずに地方に行くこともしばしばあったから、今回もそれの類だと信じたい。

ばあちゃんが死んでちょうど3ヶ月後、じいちゃんが死んだ。死因は不明らしい

そして今日、野暮用で父の部屋に入ると、机の上にばあちゃんの遺影があった。なぜここにあるんだと困惑していたら、ばあちゃんの遺影の目が光った。

そう、あれは間違いなく光った。

私は父がいなくなる前、ばあちゃんの遺影の目が光ってるように見えたと言っていたのを思い出し、なぜか急に怖くなった。

そういえば飼っていた犬もいなくなってる。

私は父が帰ってくることを切に願う。

怖い話投稿:ホラーテラー ヘレナルビンスタインさん  

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