先日、家から車で1時間ほどの場所にある、山奥の温泉に行った時のこと。
他に客がいなかった事もあり、のんびりと露天風呂を満喫しておりました。
と、不意に入り口のドアが、ガラガラと開けられる音が聞こえました。
そして、それがピシャリと閉められる音。
ペタペタと近付く足音。どうやら他のお客さんが、露天風呂にやって来た様です。
次に聞こえる音は、露天風呂に入る「ざぶん」という音だな。
そんな事を考えるも、なかなか聞こえて来ない、「ざぶん」の音。
不思議に思い振り返ると、何故かそこには、人の姿がありません。
確かに誰かが来た筈なのに……はて?
そこで気付きました。
きっとそのお客さんは、私の姿を見て、入るのをやめたのでしょう。
つまり、こういう事です。
・ドアを開けたら先客(私)がいた
・狭い露天風呂なので、先客が出るのを待つ事にした
・なので屋外には出ず、そのままドアを閉めて室内に戻った
ドアを開ける音、そして閉める音。
そこに人の姿が無かったのは、そのお客さんが、外に出なかったからなのですよ。
そのまま室内に戻って行ったから、そこには誰もいなかった。簡単なトリックですね。
謎は全て解けた!(笑)
自分の推理に、一人満足しながら、のんびりと露天風呂に浸かり続ける私。
と、不意に浮かんだ、小さな違和感。
ペタペタって何だ?
怖い話投稿:ホラーテラー 骸さん
作者怖話