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短編1
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真冬の露天風呂

先日、家から車で1時間ほどの場所にある、山奥の温泉に行った時のこと。

他に客がいなかった事もあり、のんびりと露天風呂を満喫しておりました。

と、不意に入り口のドアが、ガラガラと開けられる音が聞こえました。

そして、それがピシャリと閉められる音。

ペタペタと近付く足音。どうやら他のお客さんが、露天風呂にやって来た様です。

次に聞こえる音は、露天風呂に入る「ざぶん」という音だな。

そんな事を考えるも、なかなか聞こえて来ない、「ざぶん」の音。

不思議に思い振り返ると、何故かそこには、人の姿がありません。

確かに誰かが来た筈なのに……はて?

そこで気付きました。

きっとそのお客さんは、私の姿を見て、入るのをやめたのでしょう。

つまり、こういう事です。

・ドアを開けたら先客(私)がいた

・狭い露天風呂なので、先客が出るのを待つ事にした

・なので屋外には出ず、そのままドアを閉めて室内に戻った

ドアを開ける音、そして閉める音。

そこに人の姿が無かったのは、そのお客さんが、外に出なかったからなのですよ。

そのまま室内に戻って行ったから、そこには誰もいなかった。簡単なトリックですね。

謎は全て解けた!(笑)

自分の推理に、一人満足しながら、のんびりと露天風呂に浸かり続ける私。

と、不意に浮かんだ、小さな違和感。

ペタペタって何だ?

怖い話投稿:ホラーテラー 骸さん  

Concrete
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