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短編2
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よく聞く都市伝説

私は看護師。

私は追われていた。

ここは病院なのに!でも、正体不明のそれは執拗に私を追ってくる。

何度も諦めそうになったけど、何とか振り切った。

「ハアハア…」

息を切らして休んでいると、また、そいつは現れた!

やばい!

今度こそやられる!

そうだ!声を出して助けを呼ぼう!

フウと息を吸い込む。

だめだ!

声が出ない…!

やられる…!!

…私は目を覚ました。

まだ、心臓がバクバク鳴っている。

体は汗でベタベタだ。

そうか、夢だったのか…。

…とにかく助かってよかった。

そういえば、今日の夜勤はいつになくハードだった。

何が何でも眠っておきたかったから、仮眠の前、ちょっときつめの睡眠薬を患者から拝借したんだったな。

それにしてもすごい効きめ。

患者さんはいつもあんなのを飲んでるのか…

…看護師用の仮眠室の照明は小さな明かりがつかない。

省エネのためだろうか?

眠るときは電気を真っ暗にしなければならない。

さて、電気をつけて起きようか、と思ったその瞬間、

「起きちゃだめ」

とどこからか声が聞こえた。

その声は男性のようであり、女性のようでもある。

子供のようで、大人のようでもある。

不思議と恐怖感はなかった。

一体誰?

私は辺りを見るため、首を回そうとした。

すると、今度は

「見ちゃだめだよ」

と聞こえた。

まったく同じ声だった。

私は、ふと有名なある都市伝説を思い出した。

たしか、電気をつけたら死体があって、奇妙なダイイングメッセージが残されている、というやつだ。

電気はつけないほうがいい。

私は半ば本能的にそう考えた。

時間がたつ。

10秒、20秒、1分、2分…

具体的にどれほどの時間がたったのかわからない。

ただ、ひとつ言えることがある。

私は今は夜勤の最中で、仮眠室にいる。

いつまでも、こうしているわけにはいかない。

そんなことを考え、意を決し電気をつけようとすると、また声が聞こえた。

「えーと…たしか…①で…②んだったね」

ドンッとお腹に鋭い痛み。

でも…睡眠薬が残っているのかな?痛みの種類ははっきりしない。

「で、…③で壁に…④んだったな…」

お腹をなでれた感じ。

「で、内容が…⑤だったな」

今度は何も感じない。

…というか、なにも聞こえないし、

何も臭わないし、

何も見えないし、

何も考えられないし…

「…あーあ、これじゃいくらなんでも文字は無理だ。」

「…が足りないのかな?」

「もう2、3箇所刺すか。」

 なにも聞こえないはずなのに、これだけは聞こえた。

「えーと『電気をつけなくてよかったな!』だったかな。」

   ⑤↑

①ナイフ 

②さす 

③ち ④かく 

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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