短編2
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ありえない合格

弟は成績が悪かった。母が○○ちゃんが受かるようにお祈りしてね、というぐらい悪かった。

 私は神通力が結構あった。自分の願い以外なら割りと叶えることが出来た。

 「弟が合格しますように」

渋々ながら私は祈ってやった。

 その翌月から弟の成績はみるみる上がった。

 そして試験日の後日、試験結果が家に届いた。

「合格だって!」

 大喜びする母。受かるわけなかった弟が受かったことに私は喜べなかった。

 入学式、弟が入ってきたのは私と同じ高校だった。  

 あまり嬉しくない。それが本心だった。

 私は成績がよく、高校3年だった。順調に何もかも行くと思っていた。

 しかし、それから、原因不明の偏頭痛が始まった。

また、注意力散漫から交通事故に私は合ってしまった。

受験もあんまりうまくいかなかった。

 弟が高2になって、私は大学1年、盲腸にかかって、入院になってしまった。大学を休まなければならない状況。私はただうらめしかった。偏頭痛も治らない。原因は分からない。

 そして弟は高3。私は今年も不運に見舞われた。なんと心臓発作で病院に運ばれたのだ。私はこのときばかりは本当に死ぬかと思った。

 これまで一度も病気をしたことがなかった私が、 弟がありえない合格を果たしてから毎度、死にかけているのだ。 私は、これはやはり、弟に何かを持っていかれている、と思った。

 しかし、最近3年続いた偏頭痛が消えかけている。弟はあと一週間で卒業だ。

 もし、弟が卒業することで私の不運が解消されるなら…。

 本当にあと一週間が待ち遠しい。 

怖い話投稿:ホラーテラー Q chanさん  

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