弟は成績が悪かった。母が○○ちゃんが受かるようにお祈りしてね、というぐらい悪かった。
私は神通力が結構あった。自分の願い以外なら割りと叶えることが出来た。
「弟が合格しますように」
渋々ながら私は祈ってやった。
その翌月から弟の成績はみるみる上がった。
そして試験日の後日、試験結果が家に届いた。
「合格だって!」
大喜びする母。受かるわけなかった弟が受かったことに私は喜べなかった。
入学式、弟が入ってきたのは私と同じ高校だった。
あまり嬉しくない。それが本心だった。
私は成績がよく、高校3年だった。順調に何もかも行くと思っていた。
しかし、それから、原因不明の偏頭痛が始まった。
また、注意力散漫から交通事故に私は合ってしまった。
受験もあんまりうまくいかなかった。
弟が高2になって、私は大学1年、盲腸にかかって、入院になってしまった。大学を休まなければならない状況。私はただうらめしかった。偏頭痛も治らない。原因は分からない。
そして弟は高3。私は今年も不運に見舞われた。なんと心臓発作で病院に運ばれたのだ。私はこのときばかりは本当に死ぬかと思った。
これまで一度も病気をしたことがなかった私が、 弟がありえない合格を果たしてから毎度、死にかけているのだ。 私は、これはやはり、弟に何かを持っていかれている、と思った。
しかし、最近3年続いた偏頭痛が消えかけている。弟はあと一週間で卒業だ。
もし、弟が卒業することで私の不運が解消されるなら…。
本当にあと一週間が待ち遠しい。
怖い話投稿:ホラーテラー Q chanさん
作者怖話