短編2
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髪は女の命

 

私は子供の頃、性格の荒っぽい男の子のような子でした(現在も大人しいとは言えませんが)。

なので、両親は人形やままごと道具よりもミニカーとか変身ベルトなんかを買い与えて遊ばせていました。

そんな私を見かねて叔母が

「そんなんじゃなくて、これで遊び!」

なんて自分が昔遊んだと見える少し汚れたリカちゃん人形をくれました。

…ですが、叔母が帰った後に

「こんなの格好よくない」

なんてブーブー文句垂れては、ハサミでリカちゃんのブロンドヘアーをざっくばらんに切りウルフヘアーらしき髪型に、服も私のお古でズボンやTシャツをおばあちゃんに縫ってもらいました。

リカちゃんからしたら傍迷惑もいい所です。

改名、リカオ君。

彼(女)は約半年もの間ラジコンの車体に毛糸でグルグルに括られ、家中ドライブさせられる羽目になります。

なんだかんだ、私の良い遊び相手でした。

やがて、リカオ君はやってきたポケモンカードのブームに役目を奪われておもちゃ箱で眠りにつくことになります。

前置きが長くなりました。

最近、実家で荷物の整理なんかしてる時に例のリカオ君が出てきたんです。

当時のまま、やっぱり半袖短パン姿でいました。

ですが、元通りといかないまでも髪が大分伸びていました。

日本人形だけじゃなくリカちゃんも髪って伸びるんだ。

なんて、不気味に思いながら妙に感心して彼女は捨てずに家に残してあります。

怖い話投稿:ホラーテラー Ms.少年さん  

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