私も小学生の頃は、きまって夏休みに家族で海へ行きました。
そのときに体験したすごく恐ろしいお話です。
家族で向かったのは、山を越えて、海沿いの道を
下ったビーチでした。
コの字型の入り組んだ場所で、砂浜と岩に囲まれていました。
シーズン真っ只中にしては人も少ない方で、プライベートビーチといっても決して過言ではありませんでした。
私は早速水着に着替えて大きな浮き輪を持って、岩場から海へ飛び込みました。
このビーチは、砂浜と岩場と沖の手前が自然に岩で区画されていて、自然のプールみたいなものでした。
水深は、深くても2メートル無い感じでした。岩場の方は透き通っていて
魚や貝とか蟹もいて、水中眼鏡をかけて見ると、とても奇麗でした。
昼食を食べて、父が「午後はあの岩場を越えて沖で泳ぐ」と言いました。
沖へ向かって岩場を越えると、水深は5メートルから10メートル以上になるらしいです。
私は泳げないので、区画内で遊ぶと言ったんですが、浮き輪で来れば大丈夫だって連れて行かれちゃいました。
父は岩場から飛び込み、
たまに潜っては浮き、シュノーケルから水を噴き出していました。
私は岩場で見ていたんですが、父が「下にウニが見える。来て御覧」と言うので、浮き輪のまま岩場から海へ入りました。
水がすごく冷たかった。
区画内とは全然違って、ここは本当の海だと思いました。
地平線のように見える紺色の海。深いイメージがありました。そして未知のイメージ。
何だか、怖い感じがしました。
父が潜ったまま浮かんできません。
すごく不安になってしまいました。
半べそかきながら「お父さん!」て叫びました。
すると、後ろで水飛沫が勢いよくたって。
父でした。
私は、ほっとしました。
「ウニとれた?」
けど父は答えず、私を浮き輪ごと引っ張って泳ぎました。
「どうしたの?」
「中見ちゃダメ!」
父はそう言って私を引っ張って泳ぎます。
私は、そう言われて好奇心が沸き、少しだけならと水中眼鏡で海の中を覗いちゃったんです。
そしたら・・・
無数の手。
もう大絶叫。
岩場にあがったときも、
体の震えが全然止まらなくて。
父が抱っこして、砂浜にいる母の所へ連れて行ってくれました。
「どうしたの!?」
母が聞くと、父が
「このビーチはやばい」
って言いました。
「何かあったの?」
「あの岩場の向こう。でかい鱶がいる。人食い鮫だった。俺は見た」
父が興奮して言います。
母は、大笑いでした。
私は言えませんでした。
お父さん違うよって。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話