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短編2
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じーちゃんありがとう。

じいちゃんが死んだ。寿命だったのか?眠るゃうに息を引き取った。

手を繋いで駄菓子屋へ行った…畑仕事を手伝った…アイスキャンデーを食べた…お小遣をくれた…風邪を引いた時におじやを作ってくれた…

二人の思い出が僕だけの思い出になってしまった。

葬式が終わった後、お父さんから貝殻を渡された。

少し消えかかった文字で『1988.8.2 けんじくん』と書かれていた。

初めて海に行った時に拾った貝殻、じーちゃんにプレゼントした物だった。

後日

じーちゃんの部屋の片付けを手伝っていたら、じーちゃんと僕の思い出の品々が出てきた。

貝殻だけかと思ってたら、似顔絵やツーショット写真、キャッチボールしたボールなんかも出てきた。

すべてではないけど、僕と思い出がある物には日付と名前が書いてあった。

泣いた…

泣きながら片付けた。

じーちゃんとの楽しかった日々を思い出しながら。

片付けの途中ふと押し入れに山積みの手紙があるのをみつけた。

なんだろう?

みると全て僕宛てのものだった。

『おじいちゃんの大好きな10歳の健二くんへ』

健二くんいつもおじーちゃんの畑のおしごとを手伝ってくれてありがとう。

健二くんがいっしょうけんめいにたがやしてくれた畑に野さいの種をたくさんうえました。

おいしいおいしい栄養たっぷりな野さいを食べて元気で強い男になるんだよ。

お母さんとお父さんのいうことちゃんときいて勉強もがんばるんだよ。

次は健二くんが11さいになったら手紙を書くからね。

お誕生日おめでとう。

泣いた。特別感動する内容ではなかったのにただ泣いた…涙がぽろぽろ出てきた…。

手紙は60歳の時の分まで書かれていた。

あれから僕は大人になって結婚した。

毎年読んでいる手紙…今年は妻と子供と一緒に読んでいる。

じーちゃんが死んでしまってからは涙を流す日が続いたけど、今ではじーちゃんは近くにいてくれてる気がする。

今年の手紙には『じぃちゃんは健二をずっと見守ってるからな。一人じゃない。一生懸命生きなさい。』

怖い話投稿:ホラーテラー 健二さん  

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