これは友人から聞いた話しです。
かなり仲が良く、当時すぐ聞いた話しだったため、リアリティがあり、友人の恐怖の顔をまだしっかり思い出せます。
高校二年の夏、N(女性)はいつも通り部活を終え家に帰った。
「ただいまぁ〜」
すると家族全員と知らない男性が玄関に飛び出してきた。
「ちょっとN! あんたなにしてたの! どこいってたの!!」
家族も口々に怒ったり心配していたりする。
Nには訳が分からなかった。
すると見知らぬ男性が「問題ないようですね」
とすこし苦笑し家を出ていった。
母いわく、今の男性は警察だそうだ。
Nは意味が分からなかったので事情を聞くと、
「あんたのせいでしょ!」
と余計怒られてしまったらしい。
なにか様子がおかしい、つじつまが合わない。
Nは必死に、本当に何も分からないことを話した。いつも通り部活をして、たった今帰っただけだと。
自分の言ってることを信じてもらえないことと、気が動転してしまったこともあり、ついにNは泣き出してしまったのだ。家族もNの話しをやっと信じはしたが、なんとも納得のいかない表情をしたと言う。
実際にNが帰宅したのは午後7時半。
その2時間前、つまり5時半に母、祖父、祖母は自宅にいた。
その時確かに「ただいまぁ〜」と言う声を聞いたのだと言う。
そしてそのままNだと思われる人はタッタッタッと2階に上がって行ったのだ。
2階の別の部屋にいた祖父がNの部屋を覗いた。
しかし、Nは部屋にいなかったらしい。
2階から祖父が言う。
「いまNが帰ってきたんじゃないのかい?」一階にいた母と祖母も確かに声を聞いていて、2階に上がる足音も聞いていた。
母「えぇ、上がっていきましたよー」
祖父「いないみたいだよー?」
母「え? そんなはずないですよ」
母は階段を駆け上がりNを探した。
が、、いくら声を出そうとどこを捜そうといないのだ。
ついに母は警察に電話し、警察が着いたすぐあとでNは帰ってきたのだと言う。
みんなで不思議がりつつ1時間ほど話していると父が帰ってきた。
そこで父に先ほどの出来事を話してみた。父「絶対聞き間違えじゃないんだろ? 幽霊じゃないとすると誰かが間違えて入ってきたのかもな。だけどそしたらその子はどこに行ったんだ?」
当たり前の発想だが、父の言葉に家族は凍り付いたと言う。
その時2階からわりと大きな物音がした。
何かがぶつかる、ゴトッという感じ。
母がもう一度警察を呼び、2階を捜索してもらったところ、
なんとNの押し入れの中に女が隠れていたのだ。
20代後半だったと言う。
もしもあのままNが寝ていたら?
なにを考えて入ってきたのだろうか?
さらにはNの行動パターンをいつからか監視していたからこそ「ただいまぁ〜」と言って家に入ってきたことを考えると、たまらなく恐ろしいと思う、、、。
警察につれていかれる時女は一切抵抗をしなかったらしい。
ただ、横目にNを見て
ニタァッ、、、
となんとも気持ちの悪い顔で笑ったと言う。
以上で私の話しは終わりです。
今あなたの家の押し入れに、なにもいないと言い切れますか?
確認してみてはいかがでしょうか。
本当に怖いのは人間です。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話