小学校卒業の日の話し
その日
霙が降る寒い日だった
卒業式も無事に終わり母と共に帰宅する
姉はテレビを見ていた
「なんかさ メロ○イエロ○が飲みたい 買って来るわ」(今あるかは知らないけど当日あったジュース)
このジュースは徒歩5分程にある自販機にしか売ってない
「霙振ってるし我慢すれば?」
「ん〜… でも無性に飲みたい ってか自販機に行かなきゃ」
「何それ?」
「わかんないけど とりあえず買って来る」
姉は家を出た
10分かもう少し経った頃
姉は帰って来た
「お金忘れた」
そう言う姉の手には一匹の子猫がいた
「その子猫どうしたの?」
「自販機の下にいた ジュースはもういいや」
当時の家は借家
ペットは禁止
「名前何がいいかな…」
飼う気満々の姉に母は言った
「飼えないよ ここペット禁止だし…」
「大丈夫だよ」
母は姉の予言を信じていない
「とりあえず大家さんに電話しとかないと 飼い主見付かるまでならいいかも知れないし」
母は電話を切ると
「とりあえず今日だけはいいって この天気で追い出す事も出来ないし だって」
母はアドレス帳をめくり猫を飼えそうな家を探す
「だから言ったでしょ うちじゃ飼えないんだよ 根拠もない事言うじゃないよ」
母は姉の予言を絶対に信じない
多分信じたくなかったんだと思う…
結局電話では飼い主は見付からなかった
翌日
大家さんは回覧板を持ってやって来た
「猫の引き取り手は見つかりました?ここじゃ絶対……」
母の後ろから猫を抱いた姉が登場する
「本当はダメなんですよ。ダメだけど飼い主見付かるまでなら…」
後日大家さんはキャットフードを持って来た
「私のおばぁちゃんの家にこの猫そっくりな子がいたんですよ 迷子になってそれっきりだけど なんか懐かしいわ…」
その日子猫は無事我が家の一員となった
予断
猫の新たな飼い主は見付からず(探しもしなかったけど)結局17年間我が家で過ごしました
怖い話投稿:ホラーテラー 塩昆布さん
作者怖話