中3以降も予言はあったけどくだらない話しなので飛ばします
姉は26歳で亡くなった
その頃私は婚約していて実家には居なかった
ある日姉から電話があった
「来週の火曜って仕事? 出来れば休んで欲しいんだけど…」
「無理 休んだら店回らないし 月曜なら休みだけど なんで?」
「無理ならいいや 月曜休みなら一度帰って来れない? 私暇だから久々に会いたいし」
私は姉の本意に気付く事なく 気が向いたら行く とだけ伝えた
月曜
そんな会話も忘れてマッタリとしていた
昼過ぎ
姉から電話がくる
「今日来ないの?」
「あっ 忘れてた 今から行っても2時間くらいしかいれないし今日はいいや」
「そう… わかった」
会話はそれで終った
翌日の火曜
私は仕事に向かう
駅で電車を待っていると母から電話がきた
「お姉ちゃんが倒れた ○○病院にきて」
そこで先週の会話を思い出した
これか…
なら言えばいいのに
母は続けて言った
「今回は本当に死んじゃうかも知れないから急いでね」
えっ?
そんなに悪いの?
いつものじゃないの?
姉は昔から度々倒れる事がある
病的かはわからない
いつも軽い貧血と言われて帰ってくる
倒れるのは必ず大事に至るかどうかの予言をした数日後だった
母もそれは知っている
私は店に電話して交代するはずだったスタッフに通しで入るようお願いした
病院に着いた時には姉は亡くなっていた
生前 最後にあったのはいつだろう…
実家には度々帰っていたけどたいてい姉は居なかった
多分2年は会っていない
だから昨日実家に来て欲しかったんだ…
私は後悔した
後悔してもし切れない
昨日実家に行けばよかった
行ったからって何が変わるわけではないだろうけど
それでも行けばよかった
姉の予言
姉のお願い
逆らえばろくな事がなかったのは自分自身よく知っていたのに…
姉は26歳で亡くなった
通夜や葬儀などが終わり四十九日が目前のある日私は実家に帰って来た
「早いね もう四十九日かぁ」
「早いね… やっぱりお姉ちゃんの予知は当たるんだね…」
「お姉ちゃん 1週間前に予知してたみたい 電話あったし」
そこから姉の予知の話しになる
「お母さんは予知信じてなかったでしょ?」
「…信じてたけど 認めちゃいけない気がして」
「??」
母の話しでは
姉が6歳の頃
26歳で死ぬ事を予知していたと言う
6歳の子供が言う事だからテレビとか本とかのまね事だと思っていたけど
その頃から姉の予知が始まったらしい
私は覚えてないけど
ストーブ(昔の古いマッチで点火するタイプ)の穴に指突っ込んだ時
母は血の止まらない傷口をタオルで押さえ近くの病院へ行こうとした
姉は父の帰り待って車で他の病院に行かないとダメだと言った
普段父が帰る時間まで2時間もある
母はそれを無視して近くの病院に行った
病院はやっているけど患者もいないのに待たされる
20分程待った頃父が病院に来た
仕事が早く終わって家に帰ると姉に
○○病院に行くように言われたそうだ
父の車で他の病院に行った
「あと少し遅ければ出血多量で危なかった」
との事(少し大袈裟に言っていたんだろうけど)
そこで○○病院の事を先生に話すと
「あそこはダメだよ 看護婦だけしかいない 何かあったら先生呼ぶようにしてるからね」
この出来事で母は姉の予言を信じるようになった
「でもね 忠告されても聞かないようにしてたのよ 聞かなければ予知も出来なくなるんじゃないかと思って…
予知出来なくなれば今まで予知した事も無くなるんじゃないかって…」
母は続ける
「あの日一緒に出掛ける予定だったんだ でもあの子風邪ひいて寝てたから一人で出掛けたの 一緒に行けば何か違ったのかな…」
恐らくそれはない
姉の予言は絶対だ
多分1週間前
私に電話した時点で姉は確信していたはず
ただ一つ
姉は私の命を救った
父もまた救われている(書き忘れたからいいや)
それなら自分の命を助ける方法は予知出来なかったのだろうか…
あと1日
あの日さえ生きていれば
予言は外れていた
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長くお付き合い下さりありがとうございました
生前シリーズはこれで終わります
これからは死後の予知になります
不快に思われる方 つまらないと思われる方
タイトルでわかると思いますのでスルーして下さい
また最後に書こうかと思ったのですがこの生前シリーズには「嘘」が全体で2ヶ所混ざっています
「嘘」がどの部分かはご想像にお任せします
死後シリーズでは「嘘」を混ぜるか未定です
引き続き暇潰しに読んで頂けると嬉しいです
怖い話投稿:ホラーテラー 塩昆布 さん
作者怖話