ツイッターからフォロー通知が届いた。
相手の名は『メリーさん』となっている。
ちょっと気になるので、相手のプロフィールを見てみる。
自己紹介の欄には『私メリーさん。今、ツイッターにいるの』と書かれてある。
ちょっと笑ってしまった。
やっぱりあのメリーさんも、流行り物は気になるのだろうか?
しかし、アカウントはまだ取ったばかりのようで、フォロー人数は俺一人だけ、ツイート数分前に『日本なう』と一言だけしかされていない。
おいおい、日本なうって、随分アバウトだな。
第一これで『あなたの後ろなう』とか言われても、全然緊張感無さすぎて笑っちまうぞ。
フォロー人数0という数字が可哀想になって、俺はその『メリーさん』をフォローし返してやった。
すると丁度、『東京なう』とツイートされた所だった。
へぇー、もしかしてプロフィールに書いてある居場所を参考にして追いかけて来るのかな?
ちょっと悪趣味だなぁ。
そんな事を考えてる間に『池袋なう』と次のツイート。
おいおい随分早いな。しかも西武線に乗って来るつもりなのか、このメリーさんはw
俺はプロフィールに、『東京都練馬区』とだけしか書いていないから、この先どう出るのかに興味と、若干の気味悪さを持って眺めていた。
すると数分後、『石神井公園駅なう』と書き込まれた。
おいおい電車より遥かに早ぇーぞw
…つーか、駅特定しやがった。
見る間に、
『駅前西友なう』
『〇〇交差点コンビニなう』
とツイートされていく。
途端に気味悪さが勝ってくる。
確実に俺の家を知っている奴の書き込みだ。
きっと友人の誰かの悪戯に違いない。そうに決まってる。
『〇〇アパートなう』
遂に自宅前まで来た様だった。四階の俺の部屋まで、どんどんツイートは登ってくる。
畜生、怖がりっ放しでは癪だ。
俺は携帯を手に、壁に背中を貼り付けた。
よくあるメリーさん撃退法だ。
それで『あなたの後ろに…』ときた時『俺の後ろ壁w』とリプライしてやろう。
その間に既にツイートは進んでいた。
『405号室の前なう』
俺の部屋だ。
少し震えながらも俺は次のツイートを待った。
馬鹿にしやがって。今にやり返してやる。
すると最後のツイートが来た。
『そんな方法で本当に防げると思ったのか?』
何も無い筈の後ろから今、冷たい物が首筋に触れる。
怖い話投稿:ホラーテラー みさぐちさん
作者怖話