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短編2
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とあるタクシー会社

ひょんなことからあるタクシー運転手さんと仲良くなりその方から聞いた話です。

その方の勤める会社はある小さな駅で待機しているのですが変なルールと言うか決まりがありその内容は「15:30に先頭のタクシーは扉を開閉し誰も載せないまま走らなければならない」と言うものです。

その決まりが出来た理由を先日聞きました。

ある日その駅から一人のおじいさんを1メーター程先のアパートに乗せました。

アパートには若い夫婦が出迎えています。

その日から数ヶ月おじいさんは毎日同じ時間にタクシーに乗りアパートへ行っていました。

しかしある日を境におじいさんの姿を見なくなり「じいさん最近来ないなぁ」と会社では話題になっていたそうです。

そしておじいさんが来なくなってから1週間程して出迎えていた夫婦がやって来ました。

奥さんの話では

奥さんはおじいさんの孫で子供が出来た事をおじいさんに告げると毎日来るようになったそうです。

おばあさんのお墓に行き孫の家に行くのを日課にしていたけど先日おじいさんは亡くなったとの事でした。

この話を聞いて会社側は

おじいさんは孫の出産をとても楽しみにしていたに違いない

孫が生まれる頃まで載せてあげようじゃないか

と言う事になりおじいさんがいつも乗っていた時間に扉を開閉しアパートまで行くようになったそうです。

これはTさんがその会社に入る前からある決まりで逆算すれば孫の子供(おじいさんの曾孫)は3歳くらいではないかと言います。

生まれる頃までの決まりが

元気な曾孫の姿を見せてあげたいと言う気持ちから未だ続けているそうです。

怖くはないけどちょっとジーンとくるお話でした。

怖い話投稿:ホラーテラー 空さん  

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