短編1
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「先輩」後編

同僚は下戸で車で来ていたので、その車で先輩のウチまで行くことになった。

先輩はどっから見ても酔いつぶれてるってのにいつの間にか持ち帰りを頼んでて、それをしっかり抱えてたのを覚えてる。

先輩の家に着くと、当たり前なんだけど家の中は真っ暗。いくらか回復してた先輩は

「もう寝ちゃってるなー」と言って笑った。

「お茶くらい出すから」というのを、

「もうとっくに日付も変わってるし…」

と断っていると

トタタタタ ガチャ

玄関が開いた。

「なんだー、起きてたのか。お土産 あるぞー」と、嬉しそうな先輩。

真っ暗な家に入っていく先輩にオレらは、「それじゃ」と言って車に乗り込んだ。

車の中でガチガチに震えてるオレら。

「……なあ、先輩は何と住んでるんだ?」

今でも先輩は、誰も写ってない奥さんと娘さんの写真を見せてくる。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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