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中編3
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幽霊の車

私が小学生の頃に体験したお話です。

父、母、妹と私の四人で

旅行に行きました。

お盆の時期で、道がすごく混んでいました。

遊園地や観光名所を巡って、ホテルへ向かって車で移動していました。

夕刻の6時くらいで、空はまだ仄かに明るいオレンジ色だったのですが、

走っているのは山々に囲まれた峠のような道だったので、父はライトをつけて走っていました。

とてもカーブの多い道でした。

対向車も前方も後方も車がなくて、なんだか寂しい感じがしました。

父は運転席。母が助手席で、私と妹が後部座席です。父と母は途切れ途切れに会話をしてました。

「夕食に間に合うかな」

「あなた、スピードは出さないでね」

「ああ、この道は危ないからな。幅は狭いしカーブが多い」

妹は遊びつかれて寝ていました。私もうつらうつらしていました。

薄めに、遠く先の方でクネクネとライトが動いているのが見えました。

蛇のようにクネクネと。

途切れてはまた現れ、こちらへ向かってきます。

対向車のようでした。

「おいおい、随分と飛ばしているな」

父が言いました。

確かにライトの動きはとても早くて、まるでスーパーカーが向かってくる

ようでした。

「バイクかな?」

父はそう言いながら、マイペースで運転しています。私は父の後ろで同じ右側にいました。

右のカーブを抜けて直線に入ったとき、その対向車が前方から迫ってきました。

私は、その車を見て思わず悲鳴をあげました。

運転手の首が無くて。

血だらけの女2人が、後部座席から手を出していたのです・・・。

「いやあああ!!」

その車はカーブを抜けて

見えなくなりました。

私はそのまま失神してしまったようです。

目が覚めたとき、私はホテルの一室にいました。

ベッドで横になっていました。母が側についてくれていました。

父も心配そうな表情でやってきました。

「大丈夫か?急に叫んで

失神するから。心配したんだぞ」

「お父さんもお母さんも見たでしょ?」

私が興奮して言うと、二人は以外にも何も見てないって言うんです。

私が細かく説明して、あのときスピードを出していた対向車と言っても、

「普通の車だった」

としか言わないし、逆に

心配そうに見るんです。

私は幻覚ではなかったと確信しています。

けど、これ以上心配をかけるも嫌だったので、

「すごく怖い夢だったのかも」

で済ませました。

何だか、信じてもらえないという悔しい思いだった記憶があります。

けど翌日。

フロントの方が父にこう言いました。

「あの峠道は危険ですからお気をつけて下さい。

一昨日も事故があったんですよ」

「事故ですか?」

「はい。若い子たちの乗った車が崖下に転落したらしいのですよ」

「転落!?」

「ブレーキがきかなかったのでしょうか。あの道は多いんですよ」

父はこの話を聞いて、フロントの方々と御祓いを

してくれる近くの神社を

一生懸命探してました。

観光予定が御祓いになり

妹はとても不貞腐れていました。

とても怖い思いをしましたが、おかげさまで私も家族も災いなく済みました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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