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短編2
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名医

どんな病気も治してしまう名医がいました。

しかし、彼はすでに他界しており、もう会うことはできません。

でも、どうしても病気を治したい…たとえ死者の力…霊的な力を使ってでも!

と言う方に朗報です。

ある手順を間違いなく踏むことで、その名医を常世から呼び出すことができるのです。

では、その方法をご紹介します。

まず、3時に名医のいた病院へ行きます。

病院は東京都の○○病院です。

もちろん夜中の3時です。

次に、病院の3階のトイレ、奥から3つ目の個室で「待つ」。

男性用か女性用かははっきりとはわかりませんが、名医は男だったので、恐らく男性用と思われます。

待つ時間はどのくらいかは、これもはっきりとはわかりません。

名医の気分しだいというところでしょうか。

5分くらいで来る、あるいは1時間以上待つかも?

名医が来たらあなたのいるトイレを3回コン、コン、コンとノックしてくださいます。

あなたもノックして返してください。

すると名医は扉の隙間からメモの書かれた紙を入れてきます。

その中身は、名医からのメッセージというか、要望が書かれています。

例えば、「○○を用意して」とか「○△と言って」とか…。

あなたは、必ずその要望をかなえなければなりません。

医師の要望が「叶う」。

忘れないでください。

そして、要望をかなえた後は、

呪文「艘(ソウ)」

とはっきりと3回唱えてください。

この呪文は古くから言い伝えられている、降霊の言葉です。

この呪文を唱えないと、医師は完全に姿を現すことがでず、中途半端な存在のままあなたの周囲を彷徨うことになります。

当然、あなたの病気は治らず、医師も常世に帰ることができなくなります。

いいですか。

あなたのやることは3つです。

医師が来るまで「まつ」

医師の要望が 「かなう」

呪文       「ソウ」

を唱える。

これで、あなたの病気はたちどころに治ります。

お約束します。

その医師は天才だった。

どんなに難しい症例の手術でも必ず成功させてしまう。

その医師がその病院に入ってからは、患者の病院での死亡率は極端に下がった。

当然皆、医師に感謝した。

ただ、その医師が来てから、病院の食事のメニューが少し変わった。

なんと言うか、物足りない感じがするのである。

以前は、肉じゃがやカツ丼など、(もちろん病気の種類にもよるが)わりと食べ応えのあるものが多かった。

しかし、最近はおひたしや味噌汁、きんぴらごぼうなど質素なものばかりだ。

何でだろうか?

医師が「より健康的な食事を」と厨房に注文をつけているのか?

それとも、単に材料の不足なのだろうか?

ん?材料…!?

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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