彼は意地悪な医者だった。
ある日、末期ガン患者3人(A氏 B氏 C氏)に
「あなたたちの内、二人は今日か明日の命です。」
と一人ずつに宣告した。
人を馬鹿にするにも程がある。
患者達は怒り狂う…はずだったが、ガンの末期でそんな気力や体力などあるはずもない。
A氏が医師に他の二人に内緒でこっそり聞いた。
「私が死ぬにせよ死なぬにせよ、三人中二人が死ぬなら、BさんCさんのどちらかが死ぬことになりますね」
「たしかにそうです。確率は2/3ですから。二人のうち一人か、あるいは二人か…いずれにせよ、一人は死にます。」
「では、どちらか片方だけでよいので教えていただけませんでしょうか?」
A氏は懇願した。
すると医師は
「Cさんが死にます。」
と答えた。
A氏は少しだけ気が晴れ、医師に礼を言った。
「Cさんが死ぬなら、残るは私かBさんだけだ。」
「ということは、確率は2/3から1/2になったわけだ!」
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話