今から10年位前の蒸し暑い夜。
彼女と神戸の夜景を見に六甲山に行った帰り道、バイクで急カーブを何度か曲がった時、黄色い野球帽をかぶった小学生低学年位の男の子がひとりテクテク歩いてた。
もう夜の11時は回っていたし変だなぁと思いながら追い越して行った。
下り坂を半分ほど来た時、さっき追い越して行った筈の男の子が歩いてた。
薄気味悪いなぁと思いながら、通り過ぎ様とした時、「ちょっと止めて!」彼女が言った。
「あの子、足ケガしてるよ!」
俺はブレーキをかけた。
徐々に近づく小学生。どうやらさっき追い越した事を彼女は知らないみたいだ。
「ボク、大丈夫?」
頷く小学生。
「家どこ?お母さんは?」
何も言わない…。
妙に青白い顔、精気がない…。
「もう行こうや!」
なんかコイツおかしい。この世のもんじゃ無い気がした。彼女も同じだろう。
「じぁ行くよ…」
頷く小学生。
心を落ち着かせながらもバイクを走らせる。
もう少しで街中だなぁと思い左側を見ると黄色い帽子の子がバイクに追走してた。
怖い話投稿:ホラーテラー ケンゾーさん
作者怖話