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短編2
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やって来たのは・・・

 この話は、俺の親父の体験談だ。

俺の親父は大学生だった頃、絵画のサークルに入ってたらしいんだ。ある日、サークルの先輩に

「明日、次の展覧会に向けて大事なミーティングがあるから早く来いよ。」

って言われて、その日はお開きになったらしいんだが、親父が寮に帰る途中に、一人の男とぶつかったんだとさ。

その男は、コートを着込んで、帽子を目深に被り、大きなマスクを着けてたんだ。真冬だから、そんなに気にせず「風邪でも引いたんだろう」と思ってそのまま寮に戻ったらしいんだ。

自分の部屋で服を脱いでると、さっき男の人の当たったところに、真っ赤な血がべっとりと・・・

親父は、気味が悪かったけれど明日が大事なミーティングだからって早く寝たらしいんだよ。

次の日の朝に家に警察が来たらしいんだ。警察は親父に

「昨日、この近くで殺人事件が起こったんですが、何か目撃されましたか?」

って聞いたらしいんだ。

親父は心当たりはあったけど、警官に話すと、事情聴取とか、現場検証とか、まあ色々と時間が掛かると踏んで、ミーティングがあるから

「いいえ、しりません」

って嘘をついたらしいんだ。

そしたら警官は、釈然としないような顔で、「そうですか。」とだけ言って、帰ったらしいんだ。

結局親父の作戦は図に当たり、ミーティングにも間に合って、帰ってきたんだけど・・・。

次の日、地方新聞の一面をこんな記事が飾ったんだって。

『連続殺人事件、犯人ついに逮捕。』

親父は物騒だと思いながら何気なく見ていて、犯人の顔に何となく見覚えがある気がして、詳しく読んだんだ。

「〇〇市の××町で殺人事件が発生、逮捕された男性と連続殺人の指名手配犯に顔の特徴の似た点が多くあった為、追求したところ同一犯であると分かった。最高裁は、『これまでに多くの一般市民の・・・」

そこで、親父は犯人の写真に見覚えがあった理由が分かったんだ。

その男は・・・その日の朝、親父のところに来た、『警官』だったんだ。

怖い話投稿:ホラーテラー XXXO-00W0さん  

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