学校が終わると決まって友人Aの家に直行してた。
先に来ていた友人BとAはDSでドラクエをやっていた。
俺もDSを取り出しドラクエをやりはじめた。
3人バラバラ。やってる事は一緒だけど見事にバラバラ。
たまにある事なんだけど今日は土曜日。2時間くらいたってAが
「土曜の夜にゲームってのもなんだかなぁ」
俺「そう?」
B「…」
A「前に行こうとした小学校行かない?」
俺「あぁ…廃墟の?」
B「遠いからやめたじゃん」
A「実はさ、その後俺一人で原チャで行ったんよ」
俺「え、そうなの?」
B「ふーん、だったら行こうか?」
俺「それだったら俺だって行くよ」
A「そう言うと思って懐中電灯用意してたよ(笑)」
B「10時くらいに行く?」
俺「遅すぎてもしょうがないしな」
その後メシ食ってテレビ見てたらすぐ10時に。
俺「A、使い捨てカメラあったよな?」
B「お、いいね。なにもなかったらつまんないしね」
懐中電灯とカメラの2つで準備は整った。
A「ルーラ」
…着いた廃墟は想像以上に不気味だった。
月明かりのおかげである程度は見えたが、余計に怖さを引き立てた。
俺「なんか窓に人いそう」
A「ブランコも人いそう」
B「人っつーか幽霊だろ」
ビビりながらも小学校の玄関へ。
開いてなかったので最後の鍵を使い中へ。
ところどころ月明かりが差し込んでたがやはり暗い。懐中電灯を照らし、何かあれば男のくせにキャーキャー言って写真なんかもバシバシ撮ってた。
それでも最上階の3階にたどり着き、慣れてきたので教室で休もうとなった。
B「慣れるとなんでもないな」
俺「普通に怖いけどね。でもさ、以外に荒らされてないし中はキレイじゃね?」
「なんかないかなぁ」
そう言ってAは校庭を見つめた。
A「え?」
俺、B「…」
A(おい!)
B「なに?」
A(しーー!静かに!)
俺(え、なんだよ!)
Aは校庭を指差した。
B(…!女?)
俺(うわ!ヤベーって!)
その女らしきモノは校庭の真ん中にいた。
A(あれ幽霊だよな?絶対そうだよこんな時間に!)
B(ヤベーよマジで!コエー!どうする?)
A(写真撮れ写真!おい!)
カメラは俺が持っていたが怖くて撮れない。
A(貸せ!貸せ!)
俺はすぐにAに渡した。
心の中では「こういうのって撮っちゃ駄目なんじゃね?」って思ってた。
A(クソ!何枚か撮ったけど多分駄目だ!遠すぎる!)
俺(見つかったらどうするんだよ!)
A(馬鹿!これ撮ったらスゲーよ!)
B(つーか歩いて来てるぞ多分こっちに!)
A(一か八か外に出よう。後ろからなら大丈夫だろ!後ろ姿でもスゲーし!)
なにをいってもAは俺達の言葉を無視。そしていきなり
A「リレミト」
俺達は外に出た。
B(なんだよA!いきなり唱えるな!)
A(とにかく今から後ろにまわって撮ってくる!)
俺(…、とにかく気をつけろよ!)
Aがクルリと校庭の方へ向いた瞬間
「ぎゃーーー!!!」
悲鳴を上げ尻餅をついたAの前には女が立っていた。
俺「ぎゃーー!!」
B「うわあ゛あ゛ぁ!!」
女は長い髪をユラユラ動かし笑っていた。
俺「A!逃げろ!」
Aが動けない。瞬時に察し俺はAにキアリクを。
A「おい!カメラ!」
そう言ってカメラを俺に投げつけた。
A「このクソ女…」
Aは尻餅をついた事に腹をたてたのか、かなり怒っていた。
そしていきなり
A「メラゾーマ!」
しかし女は火柱の中でも笑っていた。
何故か耳元でクスクスと聞こえてくる。
B「A!馬鹿!相手は幽霊だ!きかねーよ!」
俺「A!今のうち逃げるぞ!」
A「くっそバケモノのくせに〜!!」
B「A!!」
Bがキレた。
A「…分かったよ!ルーラ!」
俺達が飛ぶ瞬間、火柱の中から腕がニュッと出てきていた。
女は笑っていた。
「クスクス……逃げても無駄…」
そう聞こえた。
家に到着した時、さすがに周りを見渡した。まだいるんじゃないかと。
Aはよほど尻餅を俺達に見られたのが恥ずかしかったのか寝るまであの女に対して怒っていた。
俺はというと女の最後に聞いた言葉が耳に残っていたんだ。
「逃げても無駄…」
それでも3日も過ぎると変わらぬ日常に安堵していた。
しかしAが動いていた。
カメラを現像して来たと言うのだ。
B「でもさ、幽霊写ってたらその写真ってあっちで処分しちゃうんじゃねぇの?」
A「あんな遠くから撮ったんだからわかんないって。それにTんち(写真屋)に頼んだし、Tの親父に心霊写真ぽくイタズラしてみたって言っといたから大丈夫」
心の中で俺は
「頼むから校庭の写真は写ってないでくれ」
そう願っていた。
期待は大きく外れた。
全ての写真に女がいた。
校庭の写真にいたっては、女は校庭の真ん中ではなく窓にへばりついていた。
3人絶句。
裏庭に行き写真を処分した。
A「メラ」
B「どうなるんだこれから」
A「…もし呪われたっていうなら俺はもう一度あそこへ行ってみる。」
B「行ってどうするんだよ」
A「…呪い返す」
俺「ザキ…か…」
A「どうせだからザラキーマにしとく」
B「他にもいるかもしれねぇからな」
女が見えると言い出した一週間後、Aは小学校へ飛んで行った。
俺は何もできないが魔法の聖水を5本やった。
Bはエルフの飲み薬を。
「これしか無いんだ」
そう苦笑いしながら皮の盾を見せたAはどこか悲しそうだった。
…3年たった今でもAは帰ってきてない。
Bは
「Aの事は忘れよう。しょうがなかったんだよ」
と言っていた。
今現在、俺は学校を卒業すると同時に無許可でタコ焼き屋をやっている。
見つかってはボコボコにされベホイミの日々。
それでもタコ焼きの新しい味を追求し、その評判は
「えー、なんか怖いんで普通のでいいです」
と、インパクトはまずまず。
久々にBに連絡をしてみたらBは営業の仕事をしていた。
懐かしさで長いこと話したが最後にBが
「布団お前買わない?ウチで扱ってる商品の1つなんだけど、80…万、するんだ。でも80万だけあって最高なんだよ!理由は…!」
俺「いや、俺間に合ってるし80万なんて金…」
B「…ここだけの話にしてくれよ!…あのな、……お前になら50万で売るよ…!!」
俺は電話を切った。
なんでこんな事になってしまったのか…。
あの時行かなければ…
女に出会わなければ…
…みんなでカルタやってた頃をふと思い出し涙が溢れ出た。
また3人でカルタやっぺ
カルタやっぺ
やっぺねー
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話