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短編2
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つきまとう女1

我が家には、幼少よりつきまとっている女の霊がいる。

初めて見たのは幼稚園の時だった

うちの実家は鹿児島県奄美大島の最北端、玄関から歩いて5秒で海だ。

庭には大きなガジュマルの木があり、真っ白な砂浜が海からうちの庭にまで広がり、絵に描いたような南国の家であったが、夜の雰囲気は一変する

人気もなく、妖怪が住むと言われる庭のガジュマルが月明かりに不気味に照らされ、幼い自分にはとても不気味だったのだ

うちの家族構成は訳ありの家庭だった為祖母、姉、妹、自分の4人暮らしだ

母は内地(日本本土)で単身仕事を頑張っている

恵まれた環境ではなかったが、よく近所のじいちゃんやおばちゃん達がサンシンと黒糖焼酎をもってうちの庭で宴会しに来るため賑やかだった

その日もいつもと同じ仲間がうちの庭で宴会をしていた

ビールをギリギリに 注ぐのにハマっていた俺は、ジョッキが空くのをひたすら見つけては周り、少し疲れた為、誰も居ない家に1人戻りそのまま寝てしまった

深夜、トイレがしたくなり目が覚めた

うちにはトイレが2つある

寝室から遠い水洗トイレとすぐ近くにあるぼっとん便所だ

うまく説明出来ないが我が家の間取りは妙な作りだ、迷路のようになっており、各部屋は廊下に阻まれ孤立してるため夜など怖くて1人で歩けない

普段なら祖母を起こして水洗トイレに行くが、この日はいくら呼びかけても祖母からの返答はなかった

仕方なく近いぼっとん便所に向かう

ぼっとん便所に向かう廊下は海側であり庭側でありガジュマルの木がある

勿論ガジュマルの妖怪が怖いから下を向いて歩き、突き当たりの壁にそのままぶつかる(笑)

扉を開けるとさらに廊下があり向こう側にも扉がある。

トイレはその廊下の途中の扉にある

幼稚園でうる覚えのチューリップの花をぼそぼそ口づさみながらトイレに入った。が、反響する自分の歌声が怖くて黙る

なんども後ろを振り向きながら用を足すと、来た道を戻る

勿論下を向きながら

この時一瞬気付いて居た事がある

下を向きながら歩いて来た廊下の途中、白いヒラヒラしたスカートかカーテンか着物の用な物が視界に入った

恐怖は絶頂だった。走るのも怖い。

海側の廊下に来たとき、向かって左の窓がバンッ!!

と鳴った瞬間ヒラヒラした布が自分の足元の前方に現れた

ヒラヒラした布からは真っ白な足が見えていた

怖い話投稿:ホラーテラー ケンムンさん  

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