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短編2
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怪談ライブ

今でもやっているか知らないが、〇川淳二のミステリーナイトツアーという怪談ライブがあり

怖い話好きな私は数年前まで毎年行っていた。

その日も友人と二人で例年のように会場に向かった。

会場に着くと、すでに沢山の観客でごった返しておりどうにか席についた。

場内の照明が落とされ舞台が明るく照らされ、〇川淳二さんの登場。

いよいよ怪談ライブが始まった。

2~3話ぐらいまで聞いた頃だったろうか。

突然私の体に異変がおきた。

のどの奥が痛くなり咳き込みたいのだが、のどに力が入らないのだ。

苦しくなり隣の友人や周りの人に助けを求めたいのだが、体が金縛りのようになって動かない。

全身汗びっしょりになり視界が狭まってきた。

そんな状態の私の視線の先には舞台の〇川さんがあったのだが、その〇川さんにも異変が起き始めた。

彼の声は聞こえるのだが、私が見る限り首をうな垂れてしまっており喋っているようにみえないのだ。

自分の体の異変もその時まで「病気」ではないか?とも思っていたが辺りの変化がそれを否定した。

私は前から五列目ぐらいに座っていたのだが、涙目を凝らしてよくみると自分の視界に入る人たちがみんな、

ぼんやりとした「影」のように左右に揺れている。

ふいに最前列の人影が1人、ひゅう~と立った。

顔は分からないが明らかにこちらを向いているのが分かった。

その人影がゆっくりしゃがみ見えなくなったかと思うと、

すう~っと二列目から再び現れた。

またゆっくりしゃがむと

三列目から現れた。

「こっちに来る!」

必死にもがくが体が全く動かない!声もでない!

ついに四列目から現れた。

相変わらず〇川さんの声だけが聞こえるが首をうな垂れたままだ。

周りの人からは生気が感じられない。

・・もうだめだ!

人影はまたゆっくりしゃがんだ。

今度はこの列だ。

助けて!

っと思った瞬間、

ダーン!という大音響とともにパーッと辺りが明るくなった。

それと同時に体の緊縛が解け、楽になった。

この怪談ライブでは観客を驚かす目的でこういう

音と光の演出があるのだ。

汗だくになり、呆然としている私に気づいた友人がどうしたのか後で訪ねてきた。

私は全てを話したが、半信半疑のようだった。

別に信じてくれなくてもいい。

ただ、もうあのような「怪談ライブ」のような催し物には、

二度と行かない

怖い話投稿:ホラーテラー 4℃さん  

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