母から聞いた話.
昔、母が小学生だったころ
近所のガキんちょ5人で
こっくりサンやろうって亊になったらしい.
皆興味津々でもちろん制止する子もいない
近くの神社に集まって(田舎で、何もなくそこしか普段のたまり場がなかったようだが、改めて思えば神社って・・・危険だろ)
こっくりサンに必要なものが揃った所で
皆「はい」、「いいえ」、「あ」から「ん」までかいた紙を取り囲んで座った
見様見真似だったため出来栄えはお粗末なものだったらしいが.
10円玉に手をおく.
ここではじめて「怖い」とそわそわしだす子が何人か居たらしい.
「こっくりサン、こっくりサン、おいでください」
誰かの指がビクっとした、始まってから皆少し怖いようだ
じっと10円玉を皆凝視しているとなんとも滑らかにススーっと動き「はい」の所でとまったらしい.
恐怖と緊張で皆顔が強張る
気を紛らわす為に一人が「すげ~!!!」と作り笑いしていた
泣くのを我慢してる子もいる
次何質問する?と皆で相談が始まる
「とりあえず、学校の亊聞こうよ」
と、一人が続けた
「こっくりサン、こっくりサン、・・・○○君の好きな人は誰ですか」
なんだか小学生らしい質問だなと思った
すると10円玉は「す、ぎ、の、け、い、こ」と動いた
実はその5人の中に そのけいこチャンが居たらしい
突然、名指しされそのけいこチャンはビックリし 指を話してしまったらしい.
皆が「へぇ~!!」とか「ヒューヒュー」だとかいってる中、母は冷静に(指離したら駄目なんじゃ....?)と思ってたらしい
その瞬間
その子は 目と口を大きく見開き
今までみた亊もないような顔で急に叫びだした
「こーーーーーー」やら
「かーーーーーー」やら
なんかがまざったような聞き慣れない響きで
すっげぇ高音で
神社中、いや 近所中に響き渡った
皆ビックリして 固まった.
けいこチャンを皆凝視して動けなくなっている.
けいこチャン、突然絶叫をやめ神社を4つん這いになって走り出した
もう気味が悪すぎる
その内の子が悲鳴をあげさらに恐怖を煽った
大人よんでくる!!
一人が駆け出す
母も眺めるしかなかったようだ
しばらくして近所の大人を3人つれてきたが
けいこチャンは
神社の太い木によじ登り
目と口を大きくあけながら
こちらを見ていた
大人は異変に気づき 他の小学生をみて近くに落ちてたこっくりサンの紙をみて悟った
「ありゃ、、憑かれとるぞ」
小学生の母でもそれがどいう亊なのか分かったらしい.
大人がもっと応援をよんでさらに人は増え
神主までよんだ
神主は「憑いてるモノが何か確かめる」といい、生野菜をもってくるよう大人達に伝えた
人参とキャベツをもってきた所で
神主が
木によじ登ったままのけいこチャンに向かって
パスするような感じで
人参を投げる
それをキャッチするかのようにつられてけいこチャンがドタっと落ちてきた
すぐ神主が近寄りけいこチャンの額を手の平で軽くはたくと けいこチャンはそのまま後ろに倒れ込んで動かなくなった
いつの間にかかけつけていたけいこチャンの母は泣きながら
娘を抱き抱えて逃げるように家へ帰っていった
神主の「まだ払えていない」の言葉も無視して・・・・・・
とりあえず解散しすぐ家へ帰らされた母達は
親にこっぴどく怒られた
その夜 突然の電話で
また母達は
パニックになる
けいこチャン母からの電話で
娘がいなくなったから探して欲しいとの電話だった
けいこチャン母の話では、一旦家に連れて帰ったあと 目が覚めたけいこチャンは
また「かーーーー」や「こーーーーーー」やら気味悪い絶叫をはじめ
襖や障子をやぶり
生野菜をバリバリそのまま食べ
糞尿を
撒き散らして
口から泡をふきながら
走り回っていたらしい.
パニックになって色んな人へ電話をしていたけいこチャン母
夜中皆で探しにいく亊になる.
さっきの神社集合という亊で
適当に分かれて捜索開始
神主はガムテープやら麻のひもなど
用意していた.
程なくして近くの畑で
けいこチャンは発見され、神社に連れ戻された
目を見開き 畑の野菜を食い荒らしていたらしい.
大人達も異様な光景に さすがに顔面蒼白
けいこチャン母泣きじゃくる
神主はさっき用意したガムテープと麻ひもで
神社の鳥居の脚にけいこチャンをしばりつけた
けいこチャン、未だ目と口を大きくあけながら
たまに奇声を発している
しばりつけられてからも抵抗しようと
足を無造作にバタバタやっていて首を縦やら横やら振りまくり、友達ながら本当に恐怖の姿だった
神主は集まった人に
「きつねがついている.浄化の為、鳥居の脚にしばりつけ毎日決まった時間にお祓いをする、私の居ない時はしばりつけられている彼女の見張りを近所の方で協力してやってもらいたい」
みたいな亊を言ってたらしい
しばりつけられて4日経った頃、霊気が弱まったとの亊で神主が口に含んだ清酒をぶっかけ
一応ひもはほどかれた.
ぐったりしてもとの表情に戻っていたけいこチャンに安心して皆近づく
けいこチャン母が急いで抱き抱え
お礼を言って頭をさげまくり
一先ず解散となった
塩とお札とお酒をもって最後の儀式をしに
神主もけいこチャン宅へ向かった.
ようやく普通の日々が戻り 当時の母達は幼いながらも自分達のしてしまった得体の知れない降霊術について言及するものは居なかったらしい、
あの時きちんとこっくりサンを終わらせていなかったので神主がけいこチャン宅で全て段取り踏んで終わらせてくれたそうだ.
けいこチャンが登校出来るようになってから
母はこっそり 好奇心で聞いてしまったらしい
あの何日間の記憶はないのかと.
するとけいこチャン、
「暗闇の中を走り回ってずっときつねみたいな動物に追いかけられてた.そのきつねみたいな動物が私を追いかけながらケラケラケラケラと大声で笑ってて、怖くて怖くて夢ならさめてって思ってた
口からは動物の毛がどんどん出てきて口をとじられなかった」
と.
余りの不気味さに聞かなければよかったと思った母.
以上 母が体験した怖い話でした.
怖い話投稿:ホラーテラー 十四八さん
作者怖話