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きっと信じた方が気持ちいい

短編2
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きっと信じた方が気持ちいい

本当に久しぶりの投稿しました。ナナです。

怖いというか、温かいというか、なんというか…

私は今、都内某所でカラオケのバイトをしています。

夜から朝にかけてのシフトなので、怖いウワサとか話っていうのをちょくちょく耳にして盛り上がってたりします。

そんな中、その日の仕事中に(日付が変わって)誕生日を迎えたコがいました。

そのコは私と同い年で、休みが合った日には二人だけでも遊びに行く位仲良くしています。

私は日付が変わってすぐその子に「誕生日おめでとっ」とちょっとしたプレゼントを渡しました。

とても喜んでくれて、私もその子の笑顔を見てとても満足してました。

けれどそこは仕事中なので、それ以上はしゃぐ事はしないでお互い「また後でねっ」と言って仕事に戻りました。

私はフロントで会計や電話対応等をしていて、その子は厨房でオーダー提供等をしていたので、仕事中のピーク時はすれ違う時に「忙しいねぇ」とか「お腹減ったね(笑)」とかその程度の会話だけです。

でもその日、その子が突然フロントの方に走ってきて大きな声で興奮しながら私に言ってきました。

「今三階の部屋片してたらさっっっっ」

「お姉ちゃん出たっっっっ」

話を聞くと、三階の『よく出る』とウワサされる奥の部屋で、一昨年に亡くなってしまったその子のお姉さんが出てきたという事でした。

そのお姉さんは声は出さないで口だけ動かして何かを呟いたらしいです。

私は何となく「おめでとうって言ったんじゃないかな?」とその子に伝えました。

「そっかぁ……」と一瞬下を向いて涙をこらえた後でその子は、「そういう事にしようっ」と笑ってました。

その子がお姉さんを見たっていう事は気のせいかもしれないし、私がその子に言った事も、お姉さんが呟いた事とは全く違う事だったかもしれません。

でも不思議な事とかって、疑うより信じた方が面白かったりする事もあるのかもねっ。

私はこの事に関しては、お姉さんがその子の誕生日に出てきて、「おめでとう」と言ってくれたって信じてる。

きっとそう信じた方が気持ちいいから。

ちなみにその後。

その部屋を使ったお客様は、やたらと異常なまでにご機嫌良く会計を済ます様になりました。

これもそう信じた方が気持ちいいよね(笑)

怖い話投稿:ホラーテラー ナナさん  

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